Perform Investment Japanは3月2日、Jリーグの全試合を独占ライブ配信する「DAZN(ダ・ゾーン)」での2月26日のJリーグ試合配信で視聴不能となった不具合に関して、原因と今後の対策に関する記者説明会を開催した。説明会にはDAZN CEOのジェームズ・ラシュトン氏と開発部長のウォーレン・レー氏が登壇した。
説明会の冒頭、ラシュトンCEOは「事態の責任を重く受け止めている、決して許されることではない。ファンのみなさんやコンテンツホルダーのみなさんにご迷惑をおかけし、大変申し訳ない」とコメント。開発部長とともに謝罪した。
DAZNで2月26日(日)16時47分に発生したJリーグライブ配信の視聴障害は、2017明治安田生命J1リーグのガンバ大阪 vs ヴァンフォーレ甲府戦、J2リーグの愛媛FC vs ツエーゲン金沢戦で画面がバッファリング状態になりライブ視聴できず、合わせて2017年明治安田生命J2リーグ全試合の見逃し配信視聴もできなかったもの。また、前日にも同様の現象が発生したがシステムが正常復旧したとしている。
DANZは今回の問題に関して、16時30分前後に終了したJリーグ7試合に対してライブ配信終了後に自動起動するコンテンツ制作ツールが同時処理を開始したところ、システムの一部に不具合があったためデータベースを破損、エンコーディングプラットフォームに障害を起こしたことが原因と説明した。
説明会ではDAZN側が繰り返し「複数試合へのアクセス集中が原因ではない」とコメント。エンコーディングプラットフォームはミラーリング構成だったが、配信の後の見逃し配信のためのオートスタートストップツールでエラーが発生、エラーが蓄積したことでパッケージングツールが機能しなくなったと説明。7つの試合をひとつの巨大なパッケージとして処理したため、ハーフタイムなどをカットするオートトリミング処理で負荷が高まり速度が低下したとも語る。
問題への対策として、DAZNはエンコーディングプラットフォームの全データベースを再構築し、コンテンツ制作ツールが同時起動しないよう制御するプログラムを構築。さらに独立したバックアップ系統を追加し、試合終了後の映像のトリミングも今週末はマニュアルで処理。検証として3月3日のJ1およびJ2の12のスタジアムからのライブ環境制作下でのテストを実施する。
アシュトンCEOは「今後はこのような問題が決して起こらないように、あらゆる対策を実施していく」と語る。
DAZN契約中のユーザーへの保証に関しては、2月25~26日に「DAZNにログインを試みたユーザーすべて」に2週間の無料期間を提供。無料体験期間中のユーザーには無料期間を2週間延長し、月額課金ユーザーにも2週間無料視聴期間を提供する。
また「DAZN for docomo」契約中で2月25~26日にログインしてコンテンツ視聴操作を行なったユーザーに対しても、6ヵ月期間限定のdポイント500ポイントを進呈する。
会見後の質疑応答では今回の視聴不具合の件だけでなく、配信映像の画質に関する質問も相次いだ。DAZNは「日本では62%のユーザーが1080pで視聴できており、リバッファリングがかかってしまうユーザーは全体平均で0.9%」と回答。画質へのクレームに関しては「我々は配信画質は非常に大切だと考えており、質の向上に全力を尽くす」とコメントした。
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