週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

転換期の飲食店ビジネスモデル「紙に勝つ」変革志すトレタ

2017年03月03日 09時00分更新

「喜んでくれるのは忙しい店舗だった」

「eatsa」の無人店舗

 行き詰まる飲食店ビジネスモデルとまで表現するのは大げさなのではと思う人もいるかもしれないが、実際の現場の話を聞いてみると、それがあながち間違いではない。人は集まりにくく、現場の負荷は増している。

 しかし前向きな話でいえば、レガシーな状況が大きな負荷となる一方で飲食店の現場が変わる可能性にかけるベンチャーはじつは数多くある。

 米国を例にとれば、シリコンバレーで生まれた調理ロボットを使ったピザデリバリーの「Zume Pizza」や、ウェイターもレジ係もいないニューヨークの無人ファストフード「eatsa」など、先進的な動きは世界ですでに始まっている。それこそ生産現場から内食・外食まで、いまフード・アグリ領域は国内外で数多くのおもしろいベンチャーが芽吹いている状況だ。

 トレタは予約台帳という分野で、その先頭を走る代表的な企業と言える。中村氏が語った「喜んでくれるのは忙しい店舗だった」というサービス当初の取り組みが、ここに来てただの台帳サービス以上の重要な意味を担ってきている。そしてこの先、各種連携されたプラットホームサービスとしては、飲食店の予約データの利活用といった可能性や、そのほかにもまだ大きな構想があるという。


 「いまはまだ私たちの作りたい構想の3割くらい。もっといろいろなことをやりたいが、とはいってもまったく異なる分野で勝負するのではなく、現在の延長線上で。それをまずは小さく2017年に始める。ゆくゆくは事業のもう一つの柱にしていこうと思っているのでこちらはお楽しみに」(中村氏)

 飲食店を経営していた中村氏自らが欲しかったサービスを作り上げ、同じように苦労している飲食店が必ずある、ニーズが間違いなくあると信じて立ち上げられたトレタ。その信念が、ずっと遠く世界中にも広がっていくことを期待したい。

●株式会社トレタ
2013年7月設立。高級レストランや居酒屋などあらゆる飲食店の予約を、簡単・便利に管理ができるサービス「トレタ」を運開・運営。
直近の増資では、2016年9月にはEight Roads Ventures Japanをリード投資家とした合計7社を引受先とした第三者割当増資を実施し、総額12億円の調達している。
社員数は68名。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事