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「ポメラ」で5000万円稼いだ! 作家・芝村裕吏氏が明かす「ポメラ」 DM200の魅力

2017年01月30日 11時00分更新

電子辞書、関数電卓、「ポメラ」があれば、文書をお金にかえられる

—— 「ポメラ」シリーズの魅力は?

芝村 「ポメラ」は、私のような労働意欲の低い人のためのアイテムなんです(笑)。いや、意欲が高い人は、普通にPCで仕事ができるんですよ。なんだったら、スマートフォンでも仕事ができます。でも、私みたいな人だと、スマートフォンを持っちゃうと、とりあえずTwitterを立ち上げちゃったり、ゲームを始めちゃったり。PCだと、なんとなくフリーセルを始める(笑)。ネットにつながっていれば、それこそASCII.jpを眺めてみたり。

 2分で済む仕事をやるのに、1時間かかっちゃうわけですね。この1時間を仕事にあてるのに一番良いのが、自主的な監禁道具としての「ポメラ」なんですよ!(笑) 「ポメラ」を開けたら仕事しかできない。「まさに俺が求めていたのは、コレだ!」です。

 朝起きて、「だるい。仕事したくない」と思っても、仕事しかできない。最高のツールですよ(笑)。

朝起きて、「だるい。仕事したくない」と思っても、仕事しかできない。最高のツールですよ(笑)

 職場では仕事を進められるけど、自宅で同じことをやろうとするとサッパリできないという話があったりしますよね。ところが自営業、作家だとどうしても家で仕事しなければならないのに、できない。昔、職場で輝いていたあの頃の俺はどうしちゃったんだろう、という。やっぱり、縛りの環境としての「ポメラ」がいいんです。

 2分の仕事を1時間かけてやるよりは、『「ポメラ」を買って2分の仕事を3分間くらいでもできるようになれば、お金持ちになれるんじゃね?』と思ってたら、予想以上に仕事が来るようになって大変な状態になって、イマココという感じになっています(笑)。“やる気のない俺”のための、キラーアイテムですよ。

 量販店に行けば、お金でやる気を買えると考えると、こんなにすばらしいことはないですよね(笑)。

—— 具体的に、どの作品を「ポメラ」で書いたのでしょう?

芝村 KADOKAWAさんの場合は「猟犬の國」です。最新の「エレメンタル・ローズ」も「DM100」で書きました。星海社さんの「マージナル・オペレーション」シリーズでは2巻で「ポメラ」を使い始めていて、3巻以降はすべて「ポメラ」です。早川書房さんのものはすべてです。

 ネットにつなぐ必要があるときはノートPCを使うことがありますけど、執筆用の調べ物を終えて執筆ノートをシッカリ書いている状態なら、電子辞書、関数電卓、「ポメラ」の3つがあれば、何か書ける。文書をお金にかえられるというのが、個人的結論です。

—— 「ポメラ」も電子辞書機能はありますよね?

芝村 「DM100」「DM200」は搭載していますけど、作家としてはもうちょっと複雑なというか、複数の辞書にあたりたい時があるんです。用法だけではなく、言葉の意味が知りたい。例えば、“生成り(きなり)のシャツ”というときの“生成り”とはどんな意味なのか知りたい、とかですね。“生成り”の用法であれば、この言葉とは組み合わせられるけど、他の言葉とはどうだろう? などです。もっと用語用法の広さを調べたいとなると、百科事典ですかね。

 「Wikipediaを使えばいい」「ネットを使えばいい」という考え方もありますけど、そうもいかないですよね。情報のコモディティ化というか、みんなが使う情報に価値がなくなった印象もあるので、仕事ではネットを使わなくなってきています。この辺りは、作家という仕事ゆえん、作家としてのオリジナリティに価値があるからというのもあります。

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