週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

兵庫県多可町がPRに“香り”を利用

“香りの自販機”スゴイ!兵庫に行ったら「くんかくんか」しよう

2017年01月17日 17時00分更新

 おいしい食事と酒と変なことに興味津々な三十路記者ナベコです。他にはない珍しい“自販機”があるときいて、はるばる兵庫に行ってきました。もちろん、うんまいご飯も食べてきましたよ!

記者ナベコです。今回は兵庫県に行ってきました!

世にも珍しい○○があるときいて兵庫に

 やってきたのは、兵庫県の多可町。みなさん、多可町をご存知でしょうか?

 多可町は兵庫県のほぼ中央に位置します。兵庫県は瀬戸内海から日本海まで南北に広がっているので、多可町はちょうど内陸にあり、周囲を山々に囲まれております。

兵庫県のほぼ中央に位置する、山間の町、多可町。

 名産は、古来からの手漉き和紙「杉原紙」。他にも、「敬老の日」の発祥の地として名が知られています。酒好きに興味深い話でいうと、酒造好適米「山田錦」発祥の地とも言われているのですって。

※多可町公式ホームページより。

 と、いろいろ趣深い文化や歴史がある多可町ではありますが、ひと言でいうと都会から離れたのどかな町。

 山林面積は全体の約8割。田園風景が広がる風景を見渡すと、仕事で疲れた人は「ふーーーっ」と深い呼吸が出ること間違いありません。

 なごむ~。

ただただ、のどかです。

 そんな町にやってきのは、他でもない。この町にしかない特別な“自販機”があるときいたから。飲料を買う自販機だそうですが、いったい何が珍しいのでしょうか?

そこにはラベンダー園が!!

 多可町には日本有数のラベンダー園があります。記者は「ラベンダーパーク多可」に訪れました。

 ラベンダーというと北海道の富良野が有名ですが、西日本ではラベンダーパーク多可が最大規模。敷地面積5ヘクタールの園内にラベンダーが約3万株植栽されているということ。

西日本最大のラベンダー園がある「ラベンダーパーク多可」にやってきました。

 もともと多可町は旧中町、旧加美町、旧八千代町の3町が合併して誕生した町。ラベンダーパーク多可はそれらを繋ぐ車道沿いに位置しています。せっかく人が通るので、足を止めて休憩できる憩いの場をつくりたいという思いがラベンダー園の始まりだそう。

 暑さや湿気に弱いラベンダーですが多可町は山間で気温も低いため栽培が可能なんですって。

自分のスピリットを呼び戻す……! ところで、ラベンダーの香りは認知症の予防に効果的という研究も進んでいるそうですよ。

 西日本最大規模のラベンダー園ってすごい。

 私はラベンダー広がる紫の丘を想像して胸を躍らせました。さぞや美しいのだろうなあ。

ラベンダー咲いてないじゃん

 ラベンダーパーク多可は新幹線が止まる駅、JR新神戸から車で2時間強でした。最寄りの鉄道の駅、西脇市(JR加古川線)からは、バスと徒歩で1時間15分ほどかかるそうです。

 ようやく現地に到着しました。そこには、美しいラベンダー園が……。

あれ!?

 おや……

 ラベンダー、咲いていない。

紫の花が咲いていません。

 いけども、

 いけども。

青々とした葉っぱばっかり。

 5ヘクタールの広大なラベンダー園にはラベンダーは一切咲いていませんでした。

 そうです!

 ご存知の人も多いと思いますが、ラベンダーが開花するのは温かい時期。富良野のラベンダーは7月が見ごろで、多可町のラベンダーはそれより少し早く6月下旬から7月上旬が開花時期となっています。

 それ以外の時期も広々としたラベンダー園を散策することができますし(花は咲いてませんが)、小高い位置にある「ふれあい広場」から町の風景を楽しむことができます。
 ラベンダー関連商品を扱うショップは年中営業していますし、ご飯どころや、カフェもやっています。

 ですが……。

ラベンダーの見ごろは夏前。冬は咲いていませんでした。

 時期が違ったので仕方がない。でもやっぱりラベンダーがないとさみしいですよね。

ショォ~ック。

自販機に特別な仕掛けが!

 がっくりしていたところ、ラベンダーパークの職員さんが敷地内にある自販機を案内してくれました。

 そうです。私は珍しい自販機があるとやってきたのです。ラベンダーなんて二の次、三の次(花の無いラベンダー園で心がやや枯れぎみですが)。

この自販機が特別なもの。

 さて、その珍しい自販機はというのが、こちら。

 ラベンダー園にちなんでラベンダーのラッピングが施されていますが、少しみたところごく普通の飲料自販機に見えますね。

 よくよく見ると料金表示パネルの下部に見慣れない銀色のノズルがあります。いったいなんでしょうか。

不思議なノズルが。

 ノズルはピンポン玉大で、中央に穴が開いています。自販機から突起した白い台座の上に配置されており、スイッチのようなものもありました。

 いったい何なのでしょうか?

おそらく、日本初の芳香機付きの自販機

 実をいうと、ノズルは芳香機。

ラベンダーの香りを噴出する芳香機。

 ボタンを押すとラベンダーの香りを噴出。飲料を買う買わない関係なく、誰でもラベンダーの香りを楽しめるということ。

 香りがする自販機なんてきいたことありません!

 しかも驚くことに、ラベンダーの香りといっても、どこにでもあるものではありません。香りのプロであるプロモツールという会社が、ラベンダーパーク多可に咲くラベンダーの香りを特別に調合しているとのこと。

「ラベンダーパーク多可に咲く」ラベンダーの香りが楽しめる。

 多可町のラベンダーはラバンジーという品種で、例えば富良野のラベンダーとも異なります。自販機から香るのは他でもない多可町ならではの香りと思うと、貴重と感じますね。

冬だけどラベンダーの香りを楽しめた

 ボタンを1、2秒押すと、ボタンを押すと「ドゥーーー」と連続した動作音がします。動作音と同時に、目には見えねど確かな芳香が!

ボタンを押すと「ドゥーーー」という動作音。

同時に、ふわぁと香り立つ。※イメージです。

 予想していたより香りは勢いを持って噴出されているという感覚で、ボタンを押している最中だけではなく、ストップしてもしばらく周囲に良い香りが漂っていました。

 子供でも楽しめるように芳香機の位置は少し低め。ですが、香りは下から上へ広がるので、大人が立ったまま試してみたもかすかな芳香を楽しめるはずです。

記者は思わずくんかくんか……。※ここまで顔を近づけなくても香ってきますよ。

 香りは単に甘いというだけではなく爽やか。例えばトイレにある芳香剤よりももっと軽やかでずっと嗅いでいたい気持ちになりました。特別調合しているのでより自然の香りに近いのでしょうね。

 ラベンダー園に花が咲いていなかったのは少し残念でしたが、ラベンダーのリアルな香りで心に花が咲きました!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事