東芝の映像ノウハウが盛りだくさん!
有機ELパネルは自社製ではないが、上述のように画像処理エンジンは東芝独自のもので、同社の画質に関する技術がふんだんに盛り込まれている。
たとえば、同社が長年開発を続けてきた「超解像」技術は「熟成超解像」という新しいステージに突入。映画などの24フレームの入力ソース(2K)に対して、ノイズリダクションと3種類の超解像処理(複数フレーム超解像、自己合同性超解像、再構成型超解像)を施して4Kアップコンバートをかけた上で、再度ノイズリダクションと2種類の超解像処理(複数フレーム超解像、再構成型超解像)をかける。
つまり、2K解像度の映像と4K解像度になった映像にそれぞれ処理を行ない、よりクリアで精細感の高い映像を表示する。
また、フレーム数の異なるコンテンツ、たとえば地デジ(30フレーム)、アニメ(24フレーム)、映画(60フレーム)を判別し、参照するフレームを選択する「アダプティブフレーム超解像」も搭載。現在のフレームの前の5フレームから最適なものを選び、これをもとにノイズリダクションを行なう。同時に複数フレーム超解像も実施し、解像感を高めながらノイズやちらつきを防止する。
さらに、ネットの映像に関しては、データ量を解析して解像度を判別。それに応じた超解像処理とノイズリダクションをかける。これにより、SD解像度の映像でも精細感のある4K映像で視聴可能だ。
コントラスト復元機能については、部分的な補正が可能となった。まずは映像全体から黒つぶれしている箇所と白とびしている箇所を識別し、陰影部分と骨格部分(エッジ)に分離。陰影部分のみに処理を施して元の映像に合成する。
これにより、映像全体のコントラストを最適な状態に補正しながら、極端に黒つぶれや白とびしている箇所を、全体コントラストバランスを変えることなく補正できる。
機械学習を利用したHDR復元
今回のレグザでは、画像処理において機械学習の技術を採用しているのも特徴的だ。HDR復元では、従来編集とHDR編集の違いをパラメーターとして保持し、これを本機で処理したHDR復元画像と比較。この誤差が減るように機械学習でテーブルを変更する。
また、入力信号を解析してシーンの画質を調整する機能にも機械学習を活用。たとえばニュース映像中のスポーツシーンやアニメ映像など、それぞれで最適な画質に調整する。
色については、特に人肌にこだわっている。「美肌リアライザー」は肌色の輝度を解析して階調を制御。これにより、明るいシーンで顔が白とびしているようなシーンでも、肌の質感や立体感を再現する。
このほか、駆動方式として「ハイクリア」「ハイモーション」モードを用意。このモードにすることで、各フレームに黒画面の挿入を行ない、映像を滑らかに表示させる。
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