ヨドバシakibaの斜向かいにある富士ソフトビル。都会的で大きなオフィスビルの1階に天ぷら屋「てんぷら天芳」(てんよし)があります。秋葉原駅からのアクセスもいいきれいな店舗ですが、ビルとのギャップも相まって知る人ぞ知るちょっとした穴場スポットかもしれません。リーズナブルな丼飯や定食、おいしい酒肴の一品料理が、営業時間中いつでもオーダーできる使いやすさがうれしい。このビルで働く方の中にも常連客も多い様子。
刺身3点盛と日本酒 〆張鶴
さて、さっそくいただいたのは、刺身3点盛(1000円)と日本酒の〆張鶴(しめはりつる、1杯800円)。
天ぷらはもちろん、オーダーを受けてから店主が揚げてくれます。ゆっくり待つのもいいけれど今日は贅沢にまずはお刺身で一杯。
今回は、ぶり、まぐろ、タコの3点でしたが、仕入れの状況によって内容は変わるとのこと。天ぷら専門店ながら、刺身も新鮮でおいしい!どれもぷりぷりでした。
板場で天ぷらを揚げている店主の背中を見ながらいただく一杯も、いい店に入ったと実感できて心地いい。〆張鶴は、店舗でも人気の日本酒とのこと。口当たりまろやかで飲みやすく、日本酒を飲み慣れない人にもオススメです。
特製天丼
次に出てきたのは、特製天丼(800円)。
お刺身から5分も待っていないかもしれません。これなら会社の休み時間に訪れても余裕ですね。内容は、海老2尾、きす、野菜3品(しし唐、茄子、かぼちゃ)、味噌汁、漬物。このボリュームをこのお値段で、しかも昼夜問わず頼めるって、やはり素晴らしい。思わずおいしさを噛みしめます。お米はやや固めに炊かれていますが、タレを吸った部分は柔らかくなる。この食感の差はかなり私好み。
ごま油100%で揚げていているという肝心の天ぷらは、無駄な衣もなくカラッとしています。おかげで十分にタレを吸っても、サクサクの食べ応え。海老もキスも自然な柔らかさと甘みがあって優しいお味でした。
カキピーマンとほたて天磯辺
天丼を食べ終わらないうちに、天ぷらの一品ものも続々と出てきました。揚げを一人で切り盛りしているだけあって、店主の仕事はさすがに早いです。
天ぷらは、気になった変わり種2つと、スタンダードに盛り合わせを注文しました。先に変わり種の「カキピーマン」「ほたて天磯辺」をご紹介しましょう。変わり種の天ぷらは、仕入れの状況によって追加する期間限定メニューだそう。
ピーマンに牡蠣が詰まった「カキピーマン」は、揚げられて表面は温かいけれど牡蠣はほぼ生。とてもクリーミーな牡蠣と甘いピーマンの歯ごたえがクセになります。
「ほたて天磯辺」は、かなり肉厚なほたて天が、磯辺上げのように海苔に挟まっている。海苔はパリパリで風味たっぷり。ホタテはジューシー。まるでおにぎりやお餅を食べているかのような柔らかさと食感です。どちらも間違いなく、一食の価値あり!季節モノがこれだけおいしいとなると、通う理由が出来てしまいましたね。
天ぷら盛り合わ
最後はお待ちかねのメインディッシュ。そもそも私が今回このお店を選んだのは、この定番の天ぷらが食べたかったから。アキバ通の知人から、衣が固めなので塩より天つゆで食べるのがオススメの店だと聞いたからなんです。
実は私、断然天つゆ派。けれど周囲に「通は塩でしょう」という声が多く、いつも少数派でした。塩より天つゆが間違いなくおいしい天ぷらを求めて訪れたのです。ちなみに店主にこの熱意を伝えたところ、「好みで食べるのがいちばんですよ」と大人な対応で切り返されてしまいました。
天丼と同じくごま油100%で揚げられた天ぷらはカラッとしていて、やはり無駄な衣はありません。おかげで胃に優しく、女性や年配の方にもお勧めしたい。ゆっくり味わううちに冷めてしまっても、天ぷらがサクサクのなのはさすが。うわさどおりの固めの仕上がりです。
天つゆで食べても、固めの衣からはサクサク感が少しも損なわれません。しっかりした味の天ぷらに、天つゆのまろやかさが混じるのもいい。好みを抜きにしても、これは天つゆで食べると最もおいしいのではないかな……。
もちろん、素材の甘みが際立つため、塩で食べるのもおいしいです。けれど、ここはあえて自分の気持ちに正直に天つゆを推したい。秋葉原に訪れたら「天芳」で天ぷらを食べてください。
てんぷら天芳(てんよし)
住所:東京都千代田区神田練塀町3 富士ソフトビル1F
営業時間:11:00〜22:30
定休日:日曜日
URL:http://www.tempura-tenyoshi.com/
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