JVCの新しいヘッドフォンがかっこいい
JVCケンウッドの新ヘッドフォン「SOLIDEGE SD7(HA-SD7)」が12月初旬に発売となった。
「原音探究」をブランドの理念に掲げ、硬派で堅実な音作りに定評のあったJVC。今回発売されたHA-SD7は、これまでの同社のヘッドフォンとすこし様子が変わっている。というのも、とにかくデザインが目につくのである。
音よりデザインが先行している製品というのは、決して珍しくない。しかし、JVCケンウッドがそういう製品を発売するのは珍しい。JVCの今までの製品のデザインが悪いということではない。JVCは、どちらかというと音や、音にかかわる技術を積極的に押し出してきたブランドであり、それに付随する要素としてデザインがある、という姿勢をとってきたのだ。だから、すこし違う方向から製品をリリースしたことが新鮮に思えた。
新製品のリリースにどんな意図と狙いがあるのか。商品企画担当の魚谷 真司氏(メディア事業部 プロダクツ事業統括部 プロダクツ・マネジメント部 ウエラブルグループ)とプロモーション担当の早川 厚子氏(同部 プロモーショングループ) とを取材した。SOLIDEGEシリーズがラインアップされる「N_W」というラインのコンセプトについても合わせてきいている。
ファッションとしてのヘッドフォン
−−HA-SD7、かっこいいです。
魚谷「ありがとうございます。企画段階からそう思ってもらえるように考えたので、かっこいいと言ってもらえるのは、すごくうれしいです」
−−デザイン重視に振り切ったきっかけがあったのでしょうか。
魚谷「街で、いろいろな方がヘッドフォンを使っている様子をよく見てみたんです。そうすると、ヘッドフォンをファッションアイテムとして捉えている人が多いように見えました。それが最初ですね」
−−その傾向は確かにありますね。
早川「HA-SD7も含めて、SOLIDEGEが属する「N_W」というラインは、ちょうど働き出して自由に使えるお金が出てきたり、ちょっといいものが欲しい、と考え始めた人たちを主なターゲットにしています。さらに上のラインにフラッグシップラインの『CLASS-S』がありますが、N_Wはその下のハイレゾエントリー、高級機の入り口のようなところに位置付けています。
そんな人たちにうまくアプローチをするには、どうしたらいいんだろう? と考えた結果、やはりデザインという要素がキーになっていると考えました。それも大きな理由ですね」
魚谷「自分たちの音には自信があったんです。聴いてもらえたら、絶対気に入ってもらえるだろうと。でも、なかなか、聴いてもらうまでがむずかしいんですよね。なので、ちょうど手にとってほしいユーザー層の好きなファッションだったり、生活スタイルも調査して、入り口になるようなデザインに落とし込みました」
−−なるほど、聴くところまでいかない人にアプローチする目的だったんですね。
早川「ヘッドフォンって、それこそ数え切れないくらいの数がありますよね。いろいろ調べてみたところ、『いいヘッドフォンが欲しいけど、何を買えばいいのか分からない』という方がかなりの数いることもわかったんです。そういう潜在的なお客様に向けて、かっこよさを前面に押し出したラインを作ることで、効果的にJVCというブランドを知ってもらえるんじゃないかと考えたんです」
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります