今回紹介するのは悪名高きVRシューティングゲーム「Cockroach VR」。Cockroach VRはキッチンに出現するゴキブリを銃で駆除するゲーム。120秒間でゴキブリを駆除した数のスコアを競うが、そもそも120秒間ヘッドマウントディスプレーを被り続けていられるかというチキンレースの要素が強いゲームだ。プレイヤーに嫌悪感を与えるゲームとしてはSteamでもダントツの破壊力を誇る。
ゴキブリを駆除するのに銃を使うなんて大げさに聴こえるかもしれないが、このゲームのゴキブリは通常の10倍ほどのサイズがあるためむしろ武装は貧弱なくらいだ。しかも元気よく飛びかかってくるため、連射機能の乏しいハンドガンでは撃ち落とせないこともたびたびある。
VRゲーム特有の焦って照準が合わないという特徴も合わさってさらに狙いにくくなっており、ゲームの難易度を高めている。武器が殺虫スプレーだったらどれほど良かったかと思い知らされ、わざわざハンドガンにするあたりに作者の悪意を感じる。
さらに嫌悪感を煽ってくるのが、このゲームにはゲームオーバーが無い点だ。ゴキブリに取りつかれたとしてもプレイヤーが死亡することはないので、撃ち落とすまではずっと顔の前を飛び続ける。大量のゴキブリに取り付かれるといっそ殺してくれ!と叫びたくなり、ほとんどの人がヘッドマウントディスプレーを外していく。逆光で見にくくなっているのが唯一の救いだ。
筆者は今までにも多くのVRアプリをレビューしてきたが、これほどゾットするVRゲームに出会ったことはなかった。ゴキブリが目の前に飛んできた際には頭ではゲームと分かっていても身体が反射的に避けてしまう。3Dモデルも質が高く、足の棘や腹の模様などがくっきり見えるため、気持ち悪さは折り紙付きだ。ホラーVRゲームなどとは違った恐怖感が体験できるため、ホラーVRに満足できない人にも新鮮な体験になること間違い無し……。
なお意外にもSteamでの評価は好評で、「アクティビティでこれ見よがしにHTC VIVEを自慢してくる嫌なフレンドに投げつけて楽しもう」というコメントがついている。198円と非常にお手頃な価格であるため友人にギフトとして送りつけたり、パーティでみんなでプレイして楽しむことをお勧めする。あくまで他人には快く勧めておきたい作品だ。
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