【違い2】実は、「ドローン」との関係も面白い違い
ほかの例としては、「ドローン」との関係も面白い違いだ。VRの場合、ドローンが撮影した映像を、「後から、ドローンの視点で見る」ことができる。自分が空を飛んでいるような風景を、ドローンの視点で楽しめるのがVR。
ARの場合、撮影時にも活用できるのが特徴だ。国内の規制上、ドローンの操縦者は目視が必要になり、外界から隔離されたVRでは操縦できない。ARはシースルーでドローンを目視できることに加え、目の前でドローンの飛行データやカメラの映像を確認できるのだ。
カメラを装着したドローンと「MOVERIO BT-300」の利用イメージ。ドローンを操作しつつ、空中からの撮影映像を「MOVERIO」に表示している |
【違い3】“モバイル”と“据え置き”も大きな差を生んでいる
この外界を遮断するVRとリンクするARの違いによって、使い方にも違いが出てくる。VRは仮想の世界に入り込む性質上、据え置きの状態で使われる例が圧倒的に多い。実際に歩いたり乗り物に乗ったりして移動もできるが、あくまで仮想の世界の出来事だ。現実世界側では、利用者の安全が確保されている必要がある。
ARは、現実を拡張するため、そもそも外界が見えていないと意味がない。自由に外を出歩いたり動き回ったりできることが前提と考えても差し支えないだろう。普段の生活と同じように行動しつつ、そこに新たな情報を追加するのがARだ。
現実とリンクするARの特徴を生かして、業務用途としても利用も考えられるだろう。例えば機器メンテナンスでは、ARスマートグラスを装着してメンテナンス現場に行くと、修理すべき機器を見るだけで、その周囲に必要な情報が表示される。さらに、「ここのバルブを右に回し、その上のメーターの数値を確認する」といった作業の指示がそのバルブの上に出現して、確実に作業ができる、といった使い方もありえる。
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