いよいよ出荷が始まったアップルの新MacBook Pro「Touch Bar」搭載モデル。東京でも家電量販店のアップル売り場に入荷しており、さっそく人だかりができていました。
なぜ「ESCキー」は左端に寄っていないのか
新MacBook Proに搭載された「Touch Bar」で、どうしても気になるのが「ESCキー」の位置です。
なぜ、ESCキーは左上隅に配置されていないのでしょうか。気になり始めると、夜も眠れなくなります。
Touch Barは、物理的には2170×60ピクセルという横長の有機ELディスプレイです。しかしよくよく見てみると、キーボードの横幅いっぱいまで表示できるわけではありません。
このデザインを採用した本当の理由は、デザイナーのジョナサン・アイブ氏に聞いてみたいところですが、ぱっと見て思いつくのは、右端にある指紋センサーの「Touch ID」とのバランスを取りたかったのではないか、という点です。
いずれにしてもESCキーの左側には「不都合な余白」が生まれてしまいました。しかし実はこの余白部分に触れると、ESCキーを押したことになります。これまでのキーボードと同じように指を動かし、キーボードの左上隅を押せばそこにはESCキーがあるのです。
ちなみに右端のTouch IDは電源ボタンを兼ねており、物理的に押し込めるボタンになっていますが、左端の不都合な余白は押し込むことはできず、タッチできるだけです。
このように、「見た目の表示」と「実際の当たり判定」を変えるというテクニックは、ユーザーインターフェイスの世界では定番です。macOS左上のアップルメニューや、Windowsの画面左下にあるWindowsボタンは、画面の端にマウスカーソルがある場合でも押すことができます。
ただ、こうした予備知識なしに新MacBook Proを見た場合、ESCキーが右に寄っていることから、いかにも押しにくそうな印象を受けるはずです。
デザイン面では、ほとんど付け入る隙がないほど完璧なMacBook Proですが、この不都合な余白の存在で、見た目の第一印象で損をしているのはもったいないように感じます。
操作感は優れているのでアプリの対応待ち
全体的にTouch Barの使用感は優れており、ハードウェアとしてはよくできています。手触りはさらさらとしており、タッチしても指紋が目立つことはありません。反応もよく、iOSデバイスの感覚で軽快に利用できます。
文書作成の作業などを考えると、画面とTouch Barを行き来するのは使いにくく感じますが、さまざまな値やパラメーターを直感的に動かせるコントローラーとしては有望です。今後の対応アプリの増加に期待です。
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