※週間リスキーはアックン・オッペンハイマーとやんちゃデジタルKidsたちがテクノロジーとサブカルチャーの交差点からお届けする、たいへんマニアックなコーナーとなっております。優秀なヒトバシラー以外はご注意ください。
Snapdragon 820搭載機としては6万5000円前後(税込)と、比較的お安いZTEのフラグシップ「AXON 7」。
Daydreamへの対応も予告されており、有機ELで画面もキレイ。フロントステレオスピーカーでダラダラ動画視聴にもOKということで、10月31日に購入した。
検討時の候補には「ZenFone 3と」「Moto Z」、そして、店頭の端っこでたたずんでいた「BlackBerry Priv」が並んでいた。
しかし、店員さんの「一部のSIMで通話できなくなる問題があって、後日ソフトウェアで対応予定と連絡がきています」のひと言が決め手になり、AXON 7を選んだ次第だ。通話はほとんどしないし、おもしろそうだったから。
その結果として、知らされたものとは別の不具合と遭遇し、短期間の間に3台のAXON 7をとっかえひっかえすることになり、ZTEジャパンの技術陣と情報共有したりと楽しい展開になった。
先に記しておくと、不具合は解決しており(ただし、短期的な検証レベル)、またZTE側の対応もスピーディーなものだった。
まず、ASCII.jpでのレビューのために、ベンチマークをいくつか走らせ、デレステをプレイし、あらステキと判断して、バッテリー駆動時間のチェックに入った。
バッテリー駆動時間のテストはAmazonビデオの連続再生。挿していたSIMはドコモのもので、通信はWi-Fi。APN設定のプリセットにmopera Uがあったので、ほほうと選んだ。
途中、何度か突然の再起動を挟み、はてさてと思っていたところ、SIMを認識しなくなっていた。設定からもSIMの項目はグレーアウトしており、初期化でSIMを再認識するも、同様にバッテリー駆動時間を調べる流れで、また同じ症状と遭遇してしまった。
何度かテストを繰り返した結果、発生サイクルは5〜8時間に集中していたので、この時点では初期不良と判断。SNSで軽く検索してみても、突然の再起動に関する記述はあったが、SIMをロストしっぱなしのようなものはナシ。グローバル版で同様のイベントに関する情報も見つからなかった。
そもそも5〜8時間も連続動作させることは稀だろうし、というものもある。ともあれ、店員さんから聞いたものとは別の不具合と遭遇してしまったわけだ。
まとめて記しているが、遭遇時点から週間リスキーで解決までの突発連載をすればよかったんじゃあないだろうか……。
しかし、あっさりと遭遇した不具合だったので、念のためサポートに電話してみた。連絡したところ、そんな報告はなく、サポートは店頭で聞いた話についても情報がきていないという。
ZTEジャパン側で情報共有が上手く行っていない予感がしたので、今度はZTEジャパン広報に連絡してみたが、やはり情報はなく、購入店舗で交換して様子見になった。情報共有については、本件をきっかけにスマートにしてほしいところ。なお、冒頭の店員が得た情報については、ZTEジャパン営業からとのこと。
11月1日に購入店舗で交換するも、チェック中にやはりSIMを認識しなくなった。また、放置状態でも発生していた。
この時点だと継続的な負荷が原因ではなく、ハードウェアに問題があるのではないかということで、11月4日にZTEジャパンに持ち込み、技術部に使用状況と、こちらで確認している発生までのプロセスなどを報告。このときに3台目のAXON 7を入手した。
また、店頭で聞いた不具合は「SIM×2の状態で通話をしているときに、ときどきSIMを認識しなくなる」という話だ。
11月7日に質問があった。以下の2点だ。
1. バッテリー駆動時間チェック時におけるSMSやメールの受信の有無
2. 使用しているSIMカードで契約しているサービス(今回はドコモSIMなのでMy docomoのサービス群)
回答は以下の通り。
1. ナシ
2. タイプXiにねん/Xiパケホーダイフラット/Uスタンダードプラン(mopera U)/iコンシェル/留守番電話
11月10日、ZTEジャパンより、不具合の再現ができ、また、ZTE本社のログ解析に回すと連絡があった。その翌日11月11日には、ドコモSIMとの互換性の問題と判明。
返事まで1週間はかかると思っていたので、スピーディーな対応に驚いた。ZTEは日本展開にやる気な動きが目立つため、その姿勢の表れかもしれない。
原因の詳細は、ドコモからのWAPプッシュメッセージの受信後に、端末側でSIMカードを認識できなくなることがあるという。
暫定的な対策として、純正アプリであるメッセージの設定から「WAPプッシュ受信を有効化」をオフにするとあった(ただし、発生確率が減るだけの対策)。
同機能はドコモのプリインストールアプリへの通知が主であり、今回の場合、留守番電話か「iコンシェル」への通知であった可能性が高いが、ZTEジャパンの検証不足だ。
SIMフリー端末ならではの不具合と言える。これに思い至らなかった要因は、直前までドコモSIMをセットしていた端末「BlackBerry Passport」では不具合らしいものに遭遇せず、留守番電話サービスも機能していたことにある(iコンシェルは解約したものだとばかり思っていたので、ショックだったが)。そのため、SIM側を疑うことはなかった。今回を教訓に、もっといろいろ疑おう。
さて。11月15日にビルドバージョン「ZTE A2017G JPV1.0.0B02」をインストール済みのAXON 7が届いた。ZTEジャパンに渡した2台目のAXON 7だ。
ZTEジャパンによると、「ZTE A2017G JPV1.0.0B02」は今回の不具合を解消したバージョンで、しばらく挙動を見てほしいという。
ちなみに、原稿作成時点(11月16日)のAXON 7のビルドバージョンは「ZTE A2017G JPV1.0.0B01」で、「ZTE A2017G JPV1.0.0B02」はまだ配信されていない。
到着から2日ほど様子を見ているが、突然の再起動もなく、もちろん、SIMは認識しっぱなしなので、ようやくフツーにAXON 7を使用できている。
また、ZTEジャパンに質問してみたところ、「ZTE A2017G JPV1.0.0B02」はサポートに寄せられた不具合にも対応したバージョンとのことで、ZTEジャパンでの検証が済み次第、配信されるそうだ(筆者検証時より、さらに改良が施されたバージョンが配信される場合もある)。
ところで、思いっきり人柱状態なのだが……。
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