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iPhoneとApple WatchどっちでSuicaを使う? バッテリーが切れるとどーなるの?

Apple Pay日本開始!使えるアプリ&素朴な疑問ズバット解決

2016年10月25日 05時30分更新

iPhone 7、Apple Watch Series 2を“かざして”会計できるように

 10月25日未明に公開されたiOS 10.1のアップデートでApple Payが日本でも利用可能になった(iOSのアップデートはグローバルで行なわれている)。Apple Pay対応国としては12番目。Appleによると、すでに世界で1000万人が利用しており、月100万人単位で利用者が増えているという。NFC/FeliCaを搭載した「iPhone 7」および「Apple Watch Series 2」では非接触による決済も可能となるため、発表以来その注目度は高かった。

 Androidのおサイフ機能と異なるのは、既存のクレジットカードを登録して使えるため、それ専用にまた契約するといったわずらわしさが一切ない点が挙げられる。使えるカードの種類は以下の記事にまとめた。

Apple Payが間もなく日本でも!対応カード・店舗まとめ

 主要な対応カードはイオンカード、オリコカード、クレディセゾン、JCBカード、トヨタファイナンスのTS CUBIC CARD、ビューカード、三井住友カード、楽天カード、ドコモのdカード、KDDIのau WALLETクレジットカード、ソフトバンクカードなど。三菱UFJニコスカードも今後対応予定。これらで国内の約8割、日本国内の全取り引きの5分の4を占めるという。たとえばQUICPay・iD対応の店舗なら(クレジットカードのロゴが何であれ)すでに10万以上の店舗で利用可能ということになる。

Touch IDに指紋登録済みの指を乗せて“ピッ”とかざすだけ

 クレジットカードの登録は、カード実物の画像スキャニングによって行なう(Suicaの場合は後述)。本体ソフトウェア上にデータを保管しない“トークン”というしくみを用いていており、個人情報はiPhone 7(Apple Watch Series 2)のセキュアエレメント(チップ=金庫のようなもの)内に暗号化された状態で蓄積、Touch IDの認証によってこれをリリースする。チップ、すなわちハードウェアなので外部から侵入されにくいうえ、取引内容など一切、Appleに送信されないどころかクレジットカード番号すら加盟店の目に触れない。通常のカード決済よりも断然セキュアと言えるだろう。

Walletアプリ内に「パス」のほかに「Apple Pay」が加わっているので、そこから追加していく。メインとして利用するカードは設定で指定できるが、端末をかざした際はWalletで最前面に表示したカードが優先的に使用される。なお、Apple Watch Series 2でのカードの追加もiPhoneから行ない、Watchアプリから転送するしくみだ

 実際に支払いに使ってみた。

Touch IDの設定に新たに加わったApple Payのチェックをオンに

 今回、全国タクシー協力の元、許可を得て撮影を行なった。

「Apple Payで」とは言わない

iD、QUICPay、Suicaなどが利用可能とある。使う場合は「QUICPayで」などと指定する。「Apple Payで」ではない点に注意

このような端末が置かれている(実際、乗客に対して逆向きである場合もある)。読み取り位置は「5」「6」「8」「9」の中央付近

ドライバーにより会計の準備が整うと、決済端末の四隅のLEDが点灯

iPhone 7の(画面はオフのまま)Touch IDに指紋登録済みの指を軽く載せた状態で、決済端末の読み取り位置に近づける

画面が表示され、ほんの一瞬で“完了”に…

 実に素早い。ポイントはTouch IDを押し込むのではなく、軽く触れた状態でアプローチする点。難しそうだがスグ慣れた。もし押し込んでしまった場合、ホームに移動してしまうが、優先カードに指定してあれば、そのままかざして決済できるので、さほど問題ではないだろう。

いつでも履歴を閲覧可能

 続いてTSUTAYA TOKYO ROPPONGI店でiDによるApple Pay会計を行なってみた(許可を得て撮影)。

価格が表示されたら、iPhone 7のTouch IDに指紋登録した指を置いたまま、背面上部を決済端末に近づける

 (指紋センサーに)“指を置く“点がAndroidのおサイフ機能と異なるが、実際に使ってみると、まったく面倒とは感じない。実にスムーズに使えるし、むしろ不正利用されるリスクが減ったぶん、安心して活用できる。なお、Apple Watch Series 2で使う場合は腕に装着した状態でサイドボタンを2回押し、決済端末に近づける。Watchのアンロックは不要だ。

 万一iPhoneやApple Watchを紛失した場合はどうなるか? Apple Pay担当バイスプレジデント、ジェニファー・ベイリー氏はこう話す。「安全性と個人情報の保護はApple Payの基礎となる重要な要素です。ウェブからiCloudにログインし、Apple Payの支払いをいつでも停止できます。また、“iPhoneを探す”で紛失モードにすれば、Apple Pay の利用を即座に停止できます。いずれも端末が戻った際、簡単に元に戻すことができます。さらにリモートワイプ(遠隔消去)を実行し、端末のセキュアエレメントにある個人情報をすべて消去することも可能です」──指紋がいるため、そもそも不正利用はされにくいが、二重三重にセキュア対策がなされているのだ。

Apple Pay自体はMacや6s以前のiPhoneでも利用可能

 アプリ内およびウェブ(Safari)でのオンラインショッピングでApple Payによる決済を利用することもできる。MacのSafariで行なう場合は、認証にTouch ID機能搭載のiPhoneかApple Watch(Series 1でも可)を用いる。

Mac(Sierra以降)や、6s以前のiPhoneでもオンライン決済を利用可能

 サービス側で対応しているのは、以下のとおり。たとえばミンネというクラフトサイトではアカウントを作成せず、Apple Payで決済するだけで、配送先の指定まで完了してしまう。いちいちアカウントをつくり、またパスワードが増え、支払い先やら配送先やらを入力するのがオンラインショッピング利用の足かせになっていたが、Apple Payでならすべてのフォームがそろった状態で使える。利用が広まれば今度、日本でもこのようなサービスが増えることが予想される。現在、対応しているサービスは以下の7つ。サービス・インに合わせキャンペーンも行なっているので要チェックだ。

Apple Pay開始と同時に使えるサービス7

全国タクシー(アプリ)

※Apple Payで1,500円ぶんのタクシークーポン(先着10,000名)

じゃらん(アプリ)
※Apple Payを利用した初回予約で1,000ポイント

出前館(アプリ)

※Apple Pay利用と出前館のアカウント登録で1000Tポイント

ミンネ(アプリ&ウェブ)

※Apple Payで10%割引キャンペーン

giftee(アプリ&ウェブ)
※Apple Payでコンビニ商品を購入すると同じモノが届く(先着20,000名)

※左がアプリ、右がウェブでの利用シーン

BASE(アプリ)
※Apple Payで10%割引キャンペーン

TOHO CINEMAS(アプリ&ウェブ)
※Apple Pay利用で300円ぶんのクーポン

 ウェブで利用できる利点は、ユニバーサル対応してないアプリや、シェアされたリンクなどからの利用などがスムーズに行なえるなどがある。

日本のクレカを登録したApple Payを海外の(NFC決済)Apple Pay加盟店で利用できる?

 これは“基本的には”「不可」。海外がNFCのタイプA、Bを利用しているのに対し、日本はFeliCaを利用しているためだ。ただ、個別にサービス事業者側でタイプA、BのNFCに対応した場合、この限りではない。手厚い海外保証などをうたったカードで、こうしたオプションが出て来る可能性もありそう?

Suicaだけ何かと特殊

 既報の通り、Suicaに関しては、ほかのクレジットカードと扱いが異なる点が多い。

改札を通るスピードが世界一早い国ということで、Touch IDに指を置かずに改札を通れる

 Suicaもセキュアエレメントを用いており、Walletで管理、チャージなどを行なえる点は同じ。ただ、Walletへの登録は画像スキャニングではなく、iPhone本体を“かざして”行なう。また、JR東日本製のSuicaアプリとWalletは役割が異なる。

WalletにSuicaを登録。定期もそのまま入る。チャージもWalletで可能だ

 Walletに追加したSuicaカードは、利用できなくなる(ちなみに変換すると500円のリファウンドを得られる)。よって、iPhone 7とApple Watch Series 2の両方に“同一”のSuicaや定期を入れることはできない。ほかのクレジットカードの場合、同じモノをそれぞれ入れることができる(Walletアプリで取り込み、Watchアプリで転送する)。

 JR東日本製のSuicaアプリは、新規でSuicaのカードをつくったり、新規で定期をつくる際に必要となる。また、新幹線の乗車券を購入したり、オートチャージの設定などもSuicaアプリで行なう。

Suicaの定期をApple Watch Series 2で使える?

iPhone 6s以前の端末を使っていて、SuicaをApple Watch Series 2で使うことはできるが、カードの登録はどうするのか?

 Suicaカードに関しては画像スキャニングによる登録ではないため、取り込みにはiPhone 7が必須となる(Watchをかざして……はできない)。6s以前の端末とApple Watch Series 2でSuicaを使いたい場合、JR東日本のSuicaアプリから新規でカードをつくることになる。定期も新規でなら作成可能。すでにある定期を使いたい場合は、Apple Watch Series 2で使う場合でもiPhone 7が必要になる。

 iPhone 7で取り組みWatchへ移動したSuicaを、またiPhone 7に戻すことは可能。ただし、改札は同じデバイスで出入りしないといけないため(レアケースではあると思うが)、電車内では行なわないようにしよう。

 クレジットカードとSuicaの違いは読み取り方法以外に、前述の通り前者のアカウントは1枚のカードに対し複数存在でき、後者はひとつのみとなる。たとえばSuicaをiPhoneとApple Watchの両方で使いたい場合、最低でも2枚のSuicaが必要だ。セキュアエレメントへの登録は各デバイス(iPhone、Apple Watch)ごとに必要だが、クレカをWatchでも使う場合は“コピー”、Suicaの場合は“移動”となる。この作業はWalletではなくWatchアプリで行なう。

バッテリーが切れたらどーなる?

 おサイフケータイのFeliCa同様、端末のバッテリーが完全に切れるとSuicaは(Apple Payも)利用できなくなる。この場合、駅員へ相談することになる(駅にLightningの充電設備が置かれるようになったりして?)。ポケモンGOに飽きたという人も、引き続きモバイルバッテリーは携行したほうが安心かも。

電源オフの状態でSuicaは使える?

 Suicaは(Apple Payも)端末の電源が入っていないと利用できない。ここはAndroid端末と異なっている点だ。

 なお、新しいApple Watchは18時間もつので、スマホをガシガシ使い続け、いつもバッテリー残量が心許ないという人は、SuicaはWatchで運用というのもアリだろう。

 日本はiPhoneのシェアが他国に比べ6割近くと圧倒的に高く、そのためかガラケーからスマホへの移行に伴いFeliCaの普及が鈍化してしまった。iPhone 7とApple WatchがFeliCaに対応したことでキャッシュレスへの流れがまた加速するだろうか? 今のところの盛り上がりを見る限り、十分に期待できそうだ。

●関連サイト
Apple Pay - 始め方

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