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巷の電動ドローンとは一線を画して着実な進化を遂げるYAMAHAの無人産業ヘリ

ヤマハ、農業用無人ヘリに農薬32L搭載可能な新モデル「FAZER R」

2016年10月11日 18時18分更新

FAZER R

 ヤマハ発動機は10月11日、農業用の無人ヘリコプター「FAZER」を改良した「FAZER R」を発表した。11月から発売する。

 搭載するガソリンエンジン(水平対向2気筒390cc)の圧縮比アップ・排気管径拡大により出力向上(19.1kWから20.6kW)、JAXAの技術指導を踏まえて3D翼形状テールローターに設計し直すなどの改良が施されている。従来機FAZERでは最大24Lだった農薬散布タンクは最大32Lも用意されたほか、総務省の周波数割当表改正にいちはやく対応して操縦用無線波を10波に拡大(現行は7波)。

標準付属のコントローラー

農薬散布風景 

 同社の農業用無人ヘリは1980年代から開発が進められ、「RMAX(2ストロークエンジン搭載)」からFAZER(4ストローク化)」などのエンジンの進化に加えて自律制御飛行の導入など細かく進化を続けている。

 FAZER Rのサイズは全長3665×全幅770×全高1078mm、ローター径3115mm、重量(燃料搭載時)71kg。積載重量は最大32kg(標高約300m/30℃)。価格は134万24400円。

FAZER R G2とコントローラー

 また、「FAZER R」をベースとした産業用ハイエンドモデルとなる自動航行型無人ヘリコプター「FAZER R G2」も同時に発表。G2は計測・観測・監視・撮影・運搬等の産業用途向けの機体で、最大積載量35kg、高度2800m、航続距離90km。同社では従来機RMAXを改造した「RMAX G1」で火山遠隔観測や放射能測定などの機材協力を行なっているが、RMAXでは10kgだった許容積載量が35kgへ大幅に増加。さらに衛星を介した操作により飛行距離は3kmから90kmへ大幅に拡大した。

RMAX G1では有珠山の噴火観測(左)や西之島での陸地生成の観測(右)に利用された

 FAZER R G2は各種観測や監視などの業務にむけて機体のレンタル、業務受託を行なう。

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