ソニーは10月5日、周囲の環境に関わらず自分だけ5種類の香りのアロマを楽しめる「AROMASTIC」の正式発売を発表。10月6日、ソニー本社にて記者向け説明会を行ないました。
香りを持ち運べる
AROMASTICは、同社が「パーソナルアロマディフューザー」と呼ぶ製品で、5種類の香りを閉じ込めたカートリッジを本体に挿し、スイッチを押すだけで5種類のうちの好きな香りを自分だけで手軽に楽しめます。
香りという、どうしても空気中に「拡散」してしまうものがどうして自分だけで楽しめるかと言うと、熱を使わず気体放散(ドライエアー)方式を使って香りを出しているから。スイッチを押すと香りののった空気が一方向にスッと出てくるため、香りを直接鼻孔の周辺に出している様子をイメージをするとわかりやすいかもしれません。
実際にいくつかの香りを試してみると、確かにそれぞれのアロマを感じることができます。驚きなのは、周囲でほかのプレスが試しているのに関わらず、香りが混じってしまわないことです。ほかの人が嗅いでいる香りが自分の周囲にほとんど来ていたいのだと実感しました。
香りを効果的かつ持続的にするための独自技術「Scentents」は同社の特許技術。実現するために必要な特殊な形状のカートリッジは、高速な3Dプリンターで量産しているようです。
AROMASTIC本体の価格は、8980円(税抜)で、白と黒のカラーバリエーションを用意。さらに、専用カートリッジは「for Basic」(2280円、税抜)「for Beauty」(2780円、税抜)「for Business」(2780円、税抜)の3種類。どれも英国発のオーガニックコスメブランド「ニールズヤード レメディーズ」のアロマセラピスト監修による天然植物由来のオイルが利用されています。
なお、現在は3セットのカートリッジしかありませんが、今後さまざまなブランドやアーティストなどとのコラボを検討しており、順次種類は増えていくとのことです。
「香り」に着目した、いままでにない製品が生まれた理由
そもそもAROMASTICは、同社の新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」(以下、SAP)によるもの。今回の商品展開を前に、2015年11月から今年1月までの間、同社のクラウドファンディングサイト「First Flight」で寄付を募集。結果、1115万5500円(サポーター981人)と目標額を達成し、初期型の製品は発送されています。
社内のプレゼンテーションに勝ち残り、試作や社外とのコラボレーションを行ないブラッシュアップ、そして、クラウドファンディングでニーズを確認する、といった経緯を経てついに登場した製品ですが、その間はわずか約1年半。このスピード感こそがSAPの大きな特徴とも言えます。
AROMASTICチームのリーダーである藤田修二氏は「ソニーは単なる製品ではなく、常に新しいライフスタイルとエンターテイメントを提供し、新しいことに挑戦してきた」と語り、AROMASTICが「気分」を持ち運ぶという新しいライフスタイルを生むきっかけになると力説。
イベントには、ニールズヤード レメディーズ代表取締役の梶原健二氏と脳科学者でソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員である茂木健一郎氏も登壇。
AROMASTICに対して、香りのエキスパートである梶原氏は「そもそも香りという物は揮発してしまうので、持ち運ぶのは難しい。それを熱を加えないという方法で、持ち運べるようにしたのは世界的にないことだ」と絶賛。また、茂木氏は「ソニーはウォークマンなど、それまでなかったことをやってきた。(この製品が社会にでることで)新しい習慣や想像もできなかったことも起きるのではないか」と将来への可能性を語りました。
ECだけではなく実店舗でも販売!
アスキーストアでも今後発売予定です
AROMASTICは本体と3種のカートリッジを10月5日より「First Flight」上で販売中。10月7日からはニールズヤード レメディーズのECサイト、10月8日からはニールズヤード レメディーズ表参道店、渋谷ヒカリエShinQsの1階、銀座ソニービル5階の「ソニー・イノベーションラウンジ」で発売します。
なお、アスキーのECサイト「アスキーストア」でもこのAROMASTICを含め各種SAPの製品を取り扱う予定です。ぜひ、今後の展開をお楽しみに!
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