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人の空間知覚をコントロールする技術を利用

「VRではまっすぐ歩く、現実ではぐるぐる回る」体験型VR、デジタルコンテンツEXPOに展示決定

2016年10月05日 12時28分更新

 ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンと、東京大学大学院情報理工研究科の廣瀬・谷川・鳴海研研究室の共同研究成果である「Unlimited Corridor」が経産省の優れたコンテンツ技術を発展・評価する「Innovative Technologies 2016」に採択されたと発表された。

Unlimited Corridor

 Unlimited Corridorは10月27日~30日まで日本科学未来館で開催される「デジタルコンテンツEXPO2016」のInnovative Technologies 2016エリアにて展示されるとのこと。入場は無料となっている。

 Unlimited Corridorは、体験する人がVRヘッドマウントディスプレー(HMD)を装着して、6m四方の空間に建てられた円形の壁に触れながら歩いて、工事中の高層ビルの足場の上を自分の足で探索できる。その後、子供が飛ばしてしまった風船を拾いにいくミッションを体験する。

Unlimited Corridorイメージ図

 新技術の「視触覚リダイレクション」を利用しており、現実世界では曲がった壁に触れてぐるぐる回っているが、VRで平面の壁を表示することで、平面の壁に触れながら直進していると錯覚させる。こうすることで、従来の50分の1以下のスペースで無限に歩けるVR体験を実現可能にした。

 視触覚リダイレクションは、HMDに表示する映像に補正を加え、実際は曲がっているにも関わらずまっすぐ歩いていると感じさせる「リダイレクテッド・ウォーキング技術」と、触覚刺激が同時に受け取る視覚刺激の影響で変化して知覚される現象「視触覚間相互作用」を利用したもの。

 この基本原理に加え、円形の壁の中央に通路を配置することで、三叉路を含む複雑な構造のVRを無限に探索できるようにし、実現できるVRコンテンツの幅を拡げる工夫を実現した。

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