Vulkan版DOOMで驚くべき伸びをみせる
それでは本稿の本題であるDOOMのパフォーマンスチェックに入る。DOOMのデフォルトの描画APIはOpenGLだが、これをVulkanに変更するとどういう結果になるのかが見どころだ。
画質設定は「ウルトラ」をベースに、異方性フィルタリングだけ最大(x16)に設定。マップ「ファウンドリー」の一定のコースを移動する際のフレームレートを「PresentMon」を利用して求めた。解像度はフルHD/WQHD/4Kの3通り、それぞれOpenGLとVulkanを対比しながらご覧いただこう。グラフには最低/平均/最高fpsを記載しているが、今回の環境では、最低と最高fpsは時々妙に高い(低い)値が出ることがあった。平均fps(グラフ内の赤)を中心に比較するのがオススメだ。
まずDOOMの描画APIがOpenGLからVulkanに変わることで、RX480(シングル構成時)のパフォーマンスが3割~4割伸びている点に注目。3DMarkではGTX 1060をやや下回る程度の性能のRX480が、モダンな描画APIを使い、Async Shaderを活用することで化ける点は驚きだ。ただ解像度が高くなり、描画負荷が高まると両者の差は縮まることもわかる。このあたりはメモリー帯域が絞られているミドルクラスGPUの限界、もっと言えば来年登場という噂のハイエンドGPU“Vega”の守備範囲だろう。
ただ残念なことに、DOOMはCF-X環境にしても恩恵は得られない。むしろカードが増えた分だけPCI-Expressの帯域が落ちるため、フレームレートが微妙に下がることも確認できた。どのGPU、どのゲームにも言えることだが、マルチGPUで効果が出せる状況には限りがある。「マルチGPUはロマン」なのだ。
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