Xperiaの内蔵ストレージやmicroSDカードに貯めこんだ音楽をヘッドホンでしっかり聴き込みたい時もあれば、スピーカーから音声を流してゆったりBGMとして聴きながら過ごしたくなる時だってあります。
そんな時はワイヤレススピーカーが必須アイテムですが、スピーカーコーンから正面に向かって音が出る一般的なスピーカーという概念とはまったく異なる、ソニーのグラスサウンドスピーカー「LSPX-S1」をご紹介いたします。
そもそもの見た目から、円柱のガラスチューブから明かりが灯される高級なランプに見えなくもなく、初見ではまずスピーカーだとはわからないデザインです。
本体はガラスランプではなく、きちんと高域を再生する有機ガラス管型トゥイーターと中域を再生する小型50mmウーファー、低域を再生するパッシブラジエーターの3つで構成されています。
上面の金属サークルの内側は、金属製の円形プレートが半透明の柔らかい素材でつながっています。指で押すとむにゅむにゅと上下に動くこの部分は、低域再生用のパッシブラジエーターになっています。
そして、いちばん目を惹く透明なガラス管、ここは“有機ガラス管型トゥイーター”で、有機ガラスが振動板の役割と、ウーファーエンクロージャーという2つの役割をもっています。
ガラス管のちょうど下の本体の3ヵ所に“加振器”というものが配置され、その有機ガラス管を叩いて発生した振動が、ガラス管全体から音が360度方向に広がるという原理で音を発しています。
ガラス管の中でふんわりと光を放つフィラメント型LEDは出音とは全く関係ありませんが、32段階の調光が可能でインテリアライトとしても利用できます。
ガラス管本体の下に見える空洞にあるのが、中域再生を担う50mm径のウーファーです。上から下へと放出された音が直下にある尖った山(リフレクター)に反射して、周囲360度に広がる仕組みです。
良く見ないと気付かないかも知れませんが、リフレクターの頂点に小さなLEDがあり、Bluetooth接続やペアリングといった状態が光で確認できます。
本体下部は、ペールゴールドアルマイトを施した高剛性アルミニウム筐体と、持ち上げた際の触り心地と持ちやすさを重視してブラウン調の人工レザーとなっています。物理的なインタフェースは、電源、音声入力端子と電源ボタンくらいしかありません。
音量やLEDの明るさ調整、ペアリングをする際のNFC部は底面にあるため、ふだんは目に入らないというオシャレさを優先しています。ちなみにバッテリーも内蔵しており、最大で約4時間駆動可能。持ち運んでリスニング&ライトとして使うこともできます。
Xperia内の音楽データの聴きかたですが、基本的にBluetoothでワイヤレス接続します。本体底面にあるNFCマークとXperiaにあるNFCマークを近づけるだけ、すぐにペアリングが完了します。
操作はスマートフォンアプリ「SongPal」を使い、Xperiaで扱える音楽ファイルをワイヤレス再生しながらコントロールできます。ボリューム調整から、オススメサウンド設定を最適化してくれる“ClearAudio+”、圧縮音源の高音域補完技術“DSEE”、Bluetooth コーデックの[音質優先]と[接続有線]の切り替え、時間が経過したときに電力を抑えるスリープタイマーの設定といった操作も可能です。
LEDの調光も、アプリにあるグラフィカルな丸い円をくるくるっと回すと変化させられます。32段階で少しづつ明るさを変えられるため、その場所にあった最適な明るさに調整可能。これがまた。いい雰囲気を醸しだしてくれます。
ワイヤレススピーカーとしての性能としては、ソニー独自の高音質デジタルアンプ技術“S-Master”を備えており最大出力13W、再生周波数帯域は60Hz~40kHzです。最新のXperiaシリーズに搭載されている高音質コーデック“LDAC”にも対応しています。LDACは従来のBluetooth接続のSBCコーデック比で最大約3倍の情報量を伝達でき、遅延のない高音質な音声をワイヤレスで楽しめるのが大きな魅力です。
実際にXperia内の音源を「LSPX-S1」で聴いてみると、そもそもの2チャンネルのスピーカーから音を聴くのとは異なり、音に囲まれているといった感覚があります。スピーカーをどこに置いていても、自分がどの場所に移動しても、音質の極端な変化がなく自然にリスニングできるのが、従来のスピーカーとまったく違うところです。
しかも、従来のオーディオ機器のようなモノモノしさとは違い、調光できるガラス管のLDEライトでおしゃれなインテリアとして使える佇まいと、手元にあるXperiaから心地よい音楽がどこでも聴けたり明るさを変えたりといった「心の満たされる」感覚はまさにプライスレスです。
性能だけを見ると、もっと高音質かつもっとパワフルな専用機器を追い求めてしまいがちですが、肩肘をはらず生活に溶け込む感覚を独り占めしたり、家族や友達と共有する心地よさを重視するのも悪くないと感じさせるガジェットです。
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