IFA 2016にて、フラグシップ機「Xperia XZ」と小型機「Xperia X Compact」を発表したソニーモバイル。しかし、Xperiaと言えば、いまやスマホのことだけではありません。
「新しいコミュニケーションを喚起する」(同社 スマートプロダクト部門副部門長 伊藤博史氏)ことを目的に、コンセプトが発表され、開発が続けられている同社の「スマートプロダクト」も、また「Xperia」の名前を冠しています
IFA 2016では、「Xperia Ear」「Xperia Projector」「Xperia Agent」の3製品の新たな展開が発表されました。その内容を、製品の動作の様子を交えてレポートします。
耳に着ける個人秘書「Xperia Ear」
3製品のうち、唯一発売スケジュールが発表されたのが小型ヘッドセット「Xperia Ear」。11月にヨーロッパで発売、価格は199ユーロ(約2万4000円)。耳にはめておくだけで、ハンズフリー通話や音楽再生はもちろん、音声によるアシスタント機能を利用できます。
Earは、ユーザーの音声コマンドに応じて、自らも音声で返答。電話帳に登録されている人に対する通話の発着信や、メッセージの確認・返信(SMS、LINE、WhatsApp)、通知の受け取り、ニュースの読み上げ、目的地までのルート案内、トピック検索が可能です。
音声コマンドおよび読み上げは、日本語を含む7ヵ国語に対応。Ear自体は、3月に開催された「MWC 2016」でコンセプトとして発表され、「今夏発売」となっていましたが、本製品の肝となる音声認識、文章解析などのブラッシュアップに時間がかかり、スケジュールが遅れたとのこと。
会場には英語とドイツ語で試せる実機が用意されていましたが、今回は特別に日本語で使用することができました。会場内はBGMや通行人の声がノイズとなり、音声認識という面で非常に厳しい環境でしたが、少々声を張り上げれば利用可能でした(逆に、日常的な環境下においては、大声でなくても利用できます)。
また、音声による操作のほかにも、Earに内蔵されたジャイロセンサーにより、首の縦振り横振りを検知。
たとえば、「小林さんに電話をかけますか?」とEarに聴かれた場合、縦振りなら「イエス」となり発話。逆に、横振りなら「ノー」と認識され、操作はキャンセルされます。電車内など、人がたくさんいて音声操作ができないときにEarから話しかけられても大丈夫なわけです。
連続利用時間は約4時間。また、付属のケースは充電台とモバイルバッテリーをかねています。約1時間、ケースの中に入れておくことでフル充電可能。モバイルバッテリーとしては、Earを約4回ぶん充電できとのこと。
Earは、「常に装着しておくデバイス」というよりは、仕事中や移動中など、何かをしているときに着けるもの。適切なタイミングで、最新の情報を受け取れる・送れるということが、Earの大きな魅力のようでした。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります