サムスンブースの中央には“C-Lab”ゾーンが設置されていました。ここにはサムスンからスピンアウトしたスタートアップ企業が集まっており、スマートフォンで利用できる次世代の周辺機器を展示していました。いずれも新しいアイデアが詰まったユニークな製品ばかりです。
手書き文字やイラストを腕に印刷できる
タトゥープリンター「Prinker」
「Prinker」はスマートフォンの画面に描いた文字やイラストなどを、カンタンに腕に多色印刷できるプリンターです。Galaxy Noteシリーズのように、ペンの使えるスマートフォンなら細かい描写もできるため、「Prinker」はペン利用スマートフォンに適した周辺機器ともいえます。
「Prinker」に使われるインク成分は化粧品と同等のため、肌に優しくかぶれの心配などはないとのこと。水に濡らさなければ印刷部分は1~2日程度消えません。すぐに消したい場合は石鹸などで洗えばよく、専用のクリーナーなどは不要。
スマートフォンアプリはあらかじめいくつかのスタンプやイラストを収録しており、それを印刷することも可能です。また手書き画面では線の太さや色を変えて自分の好きな文字などを書くことができます。
ブースに置いてあったのは試作機のため、印刷部分のシステムなどは非公開。箱型の本体の内部にはインクカートリッジが入っており、本体の下部からインクを出して印刷するようです。印刷時はアプリからのデータがBluetoothで「Prinker」に送られ、「Prinker」本体にある印刷ボタンを押しながら、本体を腕に軽く押し付けるようにして横にスライドさせていきます。
実際に多色印刷もやってみました。腕へのプリンターの当て方は慣れが必要なこともあり、多少色がずれるところもありますが、「スマホに書いてすぐに腕に印刷」はなかなかおもしろいものです。
開発元のSketchOnによると、一般ユーザーよりもイベント会社などへの販売を考えているとのこと。例えばコンサート会場の入り口で、出演するグループのロゴや自分の好きなメンバーの名前を腕に印刷してライブ中に楽しむ、といった使い方ができるわけです。現在はまだ開発中で、来年の2017年には製品化したいとのこと。
時計のベルトが受話器になる?
指先で通話の音が聞こえる「Sgnl」
「Sgnl」は腕時計のベルトと交換して使ったり、それ単体をブレスレットのようにして腕に巻いて利用できるウェアラブルデバイスです。もちろんスマートフォンのベルトとして使うことも可能。そして「Sgnl」を付けた腕時計は、なんと身体を使って通話ができるという便利な操作を可能にしてくれます。
ベルト部分にはバイブレーターを内蔵。「Sgnl」をスマートフォンと接続しておけば、電話がかかってくると振動で着信を知らせてくれます。そして本体のボタンを押すと着信を受けることができますが、「Sgnl」をはめた手の指先を耳の手前に当てると、指を通じて相手の音声を聞くことができるのです。
これは“Body Conduction Unit”(BCU、身体伝導)と呼ばれる機能で、「Sgnl」が受信した音声をバイブレーションに変換し、指先を通して耳へと伝えます。実際に体験してみましたが、周りの騒音に左右されることなく相手の声がよく聞こえました。また静かな会議中などに使えば、相手の声が外に漏れてしまうこともありません。
本体のボタンの上には5つのライトがあります。スマートフォン用のアプリ側でそれぞれのライトを家族や友人登録できるので、光ったライトを見て誰からの通話なのかが簡単にわかるようになっています。
「Sgnl」はキックスターターで資金調達締め切り前に目標金額を上回る額を集め、製品化が確定しました。2017年2月の出荷予定で、通常価格は139ドル。
食べ過ぎを自動計測できる
スマートベルト「WELT」でダイエット
「WELT」は、ベルトのバックル部分に特殊なセンサーを内蔵したスマートなベルトです。「WELT」を腰にはめるとウエストのサイズを自動計測し、スマートフォンに通知してくれます。また歩数や座っている時間の計測など、洋服を着てからの運動量をカウントし記録できます。さらに食べ過ぎのパターンやカロリー計算を元に、ダイエットの手助けを行なってくれます。
「WELT」は自社ブランドで製品を販売するほか、ファッションブランドとも話を進めており、それらのブランドのベルトとしても製品が出てくる予定とのこと。また日本の技適も取得済みで、日本での発売も予定されているとのことです。製品化は2016年中の予定。価格はベルトの材質などにより69ドルから。
スマホにはめるだけで画面を
裸眼3D表示化できる「Mopic」
「Mopic」はスマートフォンに装着するだけで、スマートフォンの画面表示を裸眼で見える3D化する特殊なフィルムを採用したフロント側のケース。「Mopic」をはめればスマートフォンの保護ケースとしても使うことができます。3D表示は専用のアプリを通して行ないますが、このアプリはフロントカメラが利用者の目の位置を常時計測し、スマートフォンと顔の位置が動いても3D表示が可能になるのとのこと。
「Mopic」の素材は割れにくい軟質素材の樹脂のため、落としても割れにくいとのこと。もちろん装着したスマートフォンの保護ケースとしても使えます。コストが安いこともメリットで、市販のスマートフォンケースと変わらぬ値段で提供できるだろうとのことです。
ブースにはGalaxyシリーズ用の「Mopic」が展示されていましたが、今後他メーカーのメジャーなスマートフォンに対応した製品も提供するそうです。さらにタブレット向けの製品も提供予定とのこと。対応OSはAndroid、iOSとWindows。大きいサイズの23型ディスプレーを使ってWindows上での表示もできるとのこと。
3D表示できるのはスマートフォンや画面を見ている1名だけですが、周りの4~5名のユーザーも、完全ではないものの3Dライクな表示を見ることができるとのこと。発売は2016年末を予定しており、日本でもぜひ製品を出したいとのことです。
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