週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

最上級ウォークマンやXperiaが登場のソニー発表会、ラストワンインチがキーワード

2016年09月02日 16時00分更新

全体のテーマとしてあげられたのが「ラストワンインチ」

 9月1日、ソニーはドイツのベルリンで開催中のIFA 2016に合わせてプレスカンファレンスを開催した。ステージにプレゼンターとして登壇した同社社長兼CEOの平井一夫氏が強調していたのが「ラストワンインチ」というキーワードだ。

今回もトップの平井一夫氏みずからがプレゼンテーションを行なった

ユーザーの最も身近にあるデジタル機器
ソニー製品が狙う「ラストワンインチ」

 平井社長は、「ラストワンインチ」とはユーザーのすぐそばにある距離感という意味で、ユーザーの最も近くにあるデバイス、それがソニー製品であると説明。このラストワンインチの最たる製品として紹介したのが、最高の音楽リスニング体験が可能となる新しいオーディオシリーズの「Signature Series」だ。

 ステージで紹介された製品は、ヘッドホンアンプの「TA-ZH1ES」、ウォークマンのハイエンドモデル「NW-WM1Z/WM1A」、そしてヘッドホンアンプの「MDR-Z1R」の3つ。いずれもハイクオリティーなサウンドを再現するオーディオ愛好家をターゲットとした製品だが、ほかのメーカーとの差異化が図れるアイテムでもある。

ハイエンドオーディオとして発表されたSignature SeriesのMDR-Z1RとNW-WM1Z/WM1A

ブースで展示されているNW-WM1Z/WM1Aの内部構造

 さらに10月に発売が予定されている「PlayStation VR」についても触れ、PlayStation VRが世界各国で注目を集めているアイテムであるとし、平井社長は「VR関連はゲームにとどまらず、デジタルイメージングやコンテンツ制作なども関連しているので、ソニーの強みが発揮できるポジションである」と語った。

社内スタートアップによる成果をアピール
Xperiaブランドの周辺機器も今年後半に続々発売

 また、新規ビジネスを作り出すプログラムもソニーでは進んでいることをアピール。昨年のIFAでは、スマートウォッチの「wena wrist」を発表したが、その開発の土壌となった、ソニー内部のスタートアッププログラム「Seed Acceleration Program(SAP)」が成果を上げてきていることをアピールした。

Seed Acceleration Programで製品化されたアイテムを紹介

 プレゼン内では、電子ペーパーをディスプレーに採用したスマートウォッチの最新モデル「FES WATCH U」を紹介。さらにLife Space UXとして発売されたグラスサウンドスピーカーが英国で発売されたことや、ロボット事業もすすめていくなどオーディオやゲーム意外の分野にも力を入れておくことをアピールした。

ステージでFES WATCH Uを紹介する平井社長

具体的なサービスや製品への言及はなかったが、AIやロボットなどにも取り組んでいることを解説

 スマートフォン関連については、平井社長に代わりソニーモバイルコミュニケーションズ EVP セールス&マーケティング担当の古海英之氏が登壇。Xperia Xシリーズの最新モデルとしてフラッグシップモデルの「Xperia XZ」と、コンパクトモデルの「Xperia XZ」を発表した。

フラッグシップモデルのXperia XZを発表

 さらにMWC 2016で発表されていた、Xperiaブランドのスマートプロダクトについても紹介。スマホと連携するイヤホン型のコントローラー「Xperia Ear」は11月以降に発売予定とのこと。

11月以降と発売時期も公開されたXperia Ear

 さらにタッチ操作対応の単焦点プロジェクター「Xperia Projector」はYahoo!ショッピング、パーソナルエージェントの「Xperia Agent」はネスレのコピーメーカーと連携するなど、他社のサービス・製品との連携を発表。単なる変わったデジタルアイテムという位置づけではなく、「人と密着して生活が便利で楽になるような製品にしていきたい」とのこと。これもいわゆる「ラストワンインチ」の製品のひとつと言える。

Xperia Agentはネスレのコーヒーメーカーと連携して、音声認識でコーヒーを用意してくれる

昔のソニー製品が提供してきた「ラストワンインチ」
それを再度実現できるかどうか

 このように「ラストワンインチ」をテーマとして、ソニーの新製品や開発、サービスへの取り組みが語られた。平井社長は「Signature Series」を発表する前に、ソニーが初期に発売した3つの製品、日本発のテープレコーダー「G型」、トランジスタラジオの「TR-55」、そして「ウォークマン」を紹介している。この3つの製品も「ラストワンインチ」を体現していた製品だが、それ以上にユーザーのライフスタイルを変える革新的な製品でもあったのだ。

ソニーらしさの原点とも言える製品、「TR-55」と「ウォークマン」

 これから発売される「ラストワンインチ」の各種製品が、再びユーザーのライフスタイルを変えるほどのインパクトとなるか、今後のソニーに注目したい。


■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この特集の記事