ファーウェイはIFA 2016が開催前の9月1日に、プレスカンファレンスを開催し、新しいシリーズ展開となる「nova」ブランドのスマートフォン「HUAWEI nova」と「HUAWEI nova plus」を発表しました。また合わせてライカとコラボした「HUAWEI P9」のカラーバリエーションの追加と、ハーマンカードンの技術で音楽再生機能を強化したタブレット「MediaPad M3」も公開しています。
300~400ユーロ台でセルフィー重視の若者向けモデル
大容量バッテリー搭載も大きな特徴
ファーウェイは2016年に入ってから、立て続けに新製品を発表しています。1月には「HUAWEI Mate 8」をグローバルローンチ、2月には初の2in1 PCとなる「HUAWEI MateBook」。さらに4月にはライカとコラボレーションによりカメラ機能を強化した「HUAWEI P9」を発表。
カンファレンスに登壇したファーウェイのコンシューマー部門を統括するリチャード・ユー氏によると、これら新製品が好調なこともあって、ファーウェイの今年上半期のスマートフォン出荷台数は6050万台と前年同期比で25%の増加、売り上げも41%増と好調な結果だったとのことです。
今回発表されたHUAWEI novaとHUAWEI nova plusは、多くのコンシューマーが求める機能を搭載した、手軽な価格で購入できるミッド・ハイレンジモデルとなります。
novaが5型、nova plusが5.5型のフルHDディスプレーを搭載。チップセットはオクタコアのSnapdragon 625 2.0GHz。メモリは3GBでストレージは32GBになります。リアカメラはnovaが1200万画素、nova plusが1600万画素、フロントはどちらも800万画素となります。
novaの名前は「Innovation」(イノベーション)から取られたものとのこと。デザイン、パフォーマンス、カメラの3つの点に進化を絞ったスマートフォンとなります。
本体は近代建築物からヒントを得たという複数のカーブを取り入れたデザインで、手に持った時に自然にフィットする形状となっています。また側面のエッジ部分はヘアライン加工がされるなど見た目も美しい仕上げです。ベゼル部分の幅も1.8mmと薄くなっています。
パフォーマンスはCPUにSnapdragon 625を採用。ミッド・ハイレンジ向けのCPUで、日常的に使う分には十分な速度が得られます。そして内部の設計を一新したことで、同じサイズのボディーの製品よりも20%大容量なバッテリーを搭載することが可能になりました。実際の数字はnovaが3020mAh、nova plusが3340mAhとなります。それに加えて従来品よりも35%の節電設計にすることにより、ポケモンGOを5時間連続プレイすることも可能だといいます。
カメラ機能として最初に説明されたのがセルフィー。フロントカメラは800万画素で、背面の指紋センサーを使ってワンタッチでセルフィーが可能。また美顔効果などのエフェクトを搭載しており、簡単に美しい写真撮影が可能です。
今やSNSにアップされている写真の多くがセルフィーになっており、novaはそれを意識した製品になっています。ミッド・ハイレンジの製品であるのもセルフィーを好む若い世代をターゲットにしているわけです。
novaの電池の持ちについて、ユー氏はポケモンGOでわかりやすく説明しましたが、写真撮影にフォーカスすると、1回の充電で1000枚以上の写真撮影も可能と紹介しました。もちろんリアカメラも高画質なので、日常のあらゆるシーンをバッテリー残量を気にせず撮影できる、カメラフォンとしても使うことができるという点も大きくアピールされていました。
ハイエンド級で伸びが大きい最近のファーウェイ
novaは新興メーカーが強いミドルハイでの対抗機!?
IFAのファーウェイはいつもは大画面のハイエンドスマートフォン「Mate」シリーズを発表をしてきました。しかし、今回のnovaはミッド・ハイレンジであり、高性能・高機能を謳う製品ではありません。ではなぜnovaを発表したのでしょう? それは2016年のファーウェイの端末の価格レンジ別の販売数から理解することができます。
今年1月のHUAWEI Mate 8や4月のHUAEWI P9の投入の結果、2016年第二四半期を見ると、500ユーロ以上のプレミアムレンジの販売数が前年比で1.7倍と大きく伸びています。一方、300~400ユーロ、400~500ユーロ台の製品は微増にとどまっています。
そして最近伸びが激しい新興メーカーの製品は、Snapdragon 600番台を採用することで価格を押さえ、一方でカメラ、特にフロントカメラ画質や音楽機能を強化しています。
novaの価格は300ユーロ、nova plusの価格は429ユーロで、まだ伸びしろが期待できるクラスの製品であり、そして新興メーカーの製品にも十分対抗しうる機能を備えた製品であるわけです。発売は10月から、世界50カ国で。日本での発売は未定です。
本体カラーはMystic Silver、Titanium Grey、Prestige Goldの3色を基本として、novaには一部の国でRose Goldも提供されます。フロント側はホワイトかブラックの仕上げで、背面側もカメラ周りの色合いをホワイトあるいはブラックに仕上げ、3色/4色構成ながらもより多彩な色の仕上げとしています。なおオープンマーケット(SIMフリー)市場向けにはデュアルSIM版が投入され、キャリア版がシングルSIM版になるとのこと。
これまでのスマホにはなかった
インパクトのある強烈な赤と青のHUAWEI P9
最近のスマートフォンのカラーバリエーションは、各社とも同様にシルバー、グレイ、ブラック、ホワイト、ゴールド、ピンクといった色を採用しています。しかしファーウェイは4月発売のHUAWEI P9にこれまでには無い色を採用したモデルを新たに投入します。ブルーとレッドの2色です。
どちらの色も、ファッションを意識したモデルとなっており、高機能なカメラを搭載したP9の本体デザインをより強くアピールした製品となります。ライカとのコラボレーションでP9のユーザー層は大きく広がっています。
これまでのスマートフォンにはない、新しいイメージの製品を投入することで、新たなユーザーやファンを獲得する狙いがあるのでしょう。価格は従来モデルのP9と同じとのこと。
Androidタブレットの「MediaPad M3」は音質重視
タブレットも新製品が発表されました。「MediaPad M3」は8.4型WQHD(2560×1600ドット)ディスプレーを採用、CPUにはKirin 950を搭載したハイエンドなタブレットです。
スリムなボディーに5100mAhのバッテリーを搭載。ハーマンカードンとコラボレーションし、同社のオーディオシステム搭載で高音質な音楽の再生が可能、かつAKGブランドのイヤフォンも付属します。Wi-Fi版とLTE版、ストレージが32GBと64GBの組み合わせで4モデル展開となり、価格は349~449ユーロ。9月26日からの発売で、第一次販売国には日本も入っています。
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