ごきげんよう、アスキーの酒担当ナベコでございます。将来の夢は日々飲み倒れられること。地べたで倒れてはちょっと危ないので、そこに畳があったらうれしい。贅沢な夢ですよね。
今回訪れた飲み倒れ店は、新丸子に7月オープンした「やきとん 大喜利(おおぎり)」。ふだん利用することが多い「庄や」チェーンの大庄さんが手がけた今までにない業態だったので足を運んでみましたよ。
お店は住宅街のイメージがある新丸子駅の東口を出て、線路沿いを向かって右に1、2分ほど歩いたところにあります。昔からある飲み屋さんのようなレトロなたたずまい。
やきとん屋さんなので、レバーやハツといった豚のもつの炭焼きが看板料理。やきとん自体は珍しくありませんが、冷凍をしていない新鮮な生の状態で入荷しているのがこだわりということ。“生もつやきとん”は、はたしてどんな味なのでしょう?
1Lの筋トレ生ビール! こんな筋トレなら毎日したい
店に入って渇いた喉を潤すために飲み物のメニューを見てみると。
おおー、これは。
「筋トレ生」というものがありました。1リットルのビールが入ったサッポロ黒ラベルの特大ジョッキなのですね。価格は880円。中生は460円なので、倍以上入っているため筋トレ生のほうがオトクということ。
女ならば! と、迷うことなく筋トレ生を頼みました。
カンパーイ。1リットルというと1㎏。ジョッキの重みも加えられるので、2㎏近い重量ですね。間違いなく筋トレになるであります(確信)。
昭和の家庭の居間のような雰囲気 安心して飲み倒れられる
まっさきに酒の紹介に走ってしまいましたが、店内で鮮烈な印象を受けたのは、レトロな雰囲気の内装。
店の手前のほうこそカウンターとテーブル席が並んだよくある大衆的な飲み屋さんという雰囲気でしたが、驚いたのは奥の座敷。ちゃぶ台に座布団、背の高いタンスに昭和の家庭にあるような小道具で、タイムスリップしたような錯覚に陥りました。ザ・昭和です。
この日は座敷席に。畳の席で、しかも家の中のような安心できる雰囲気なので、心置きなく飲み倒れられます。畳バンザイ、昭和バンザイ! あ、いや店内で倒れたらお店の人に迷惑なのでみなさんはほどほどに(自分のことは置いておくのがモットー)。
なお、店内で流れているBGMもレトロ。60~70年代のヒット曲だそうで、懐メロどころじゃなく古い。アラサーのナベコは、お父ちゃんお母ちゃんが好きな曲が流れているなあ、なんてしみじみしてしまいました。こういう雰囲気、落ちつけて好きです。
当然お客さんはおじさまが多いのかなと思ってあたりを見渡すと、意外にも学生さんのグループや若い家族連れが目立ちました。レトロな雰囲気だと世代関係なく親しみがわくのでしょうね。若い世代のほうがかえって珍しくておもしろがる、というのもありそう。ちなみに、私も若いのです。
内装の話にかこつけて、下の話にはなりますがお手洗いの流しがユニークでした。水道のところにやかんが。どうやって水を出すのかと戸惑いましたが、このようにやかんを傾けるのが正解。
別のところにあった蛇口も、普通にひねるのではなく通常とは違う所をひねらないと水が出て来ないという仕掛けがありました。なんだろうこのひっかけ。驚いたけど楽しい。
特別に男性の個室をのぞかせてもらったら、昔のちょっとエッチな大衆紙が内装として貼り付けられているということ。どんなことが書かれてあるか気になりますよね……?
一頭から30gしかとれない超希少な「ノドブエ」を喰らえ!
大喜利に来たなら、超希少部位である“ノドブエ”を食べておきたいところ。声帯にあたる部位で、別名“上軟骨”。豚一頭から30gしかとれないというので、お目にかかれるのも珍しいそうです。
この日は特別メニューとして「ノドブエ唐揚げ」があったので食べてみました。価格は450円。
食感がこりっこり。淡白な味で、感覚としては鶏軟骨の唐揚げに近いけど、それより脂があっさりしていて上質。ビールというより日本酒や焼酎が合いそうなので、酒飲みはとても好きなはず。さっぱりしているので、女性にも好まれまそう。ちなみに、私も女性です。
豚の声帯なんて今まで食べたことありませんでしたが、とても食感が良くて美味。ステキです。酒が進みます。
こちらは「レバーの炭焼き」。380円。
少し触れましたが、大喜利の炭焼きは串打ちをしていません。串打ち作業で触れることによる温度変化を避けるために、あえて網でゴロ焼きにしているということ。私としては串が大好きですが、ゴロ焼きだから食べないなんてことありません。おいしければ正義。
レバーは分厚くて大きかったです。串のレバーだと、どうしても串に刺す便宜上(なのかな)ひと切れがそこまで大きくありませんが、ゴロっとした固まりであるため食べごたえがあって感激しました。臭みも少なくさっぱりしています。
私の一番のオススメは「サガリの炭焼き」。380円。サガリは横隔膜の近くのお肉です。旨みがたっぷりあって、濃厚でクリーミー。ミルクのようなまったりしたコクが素敵でした。
サガリ、カシラ、タン、トントロを注文した時に店員さんにお願いすると、別添えで「刻みワサビ」をもらえます。プリプリしたサガリにワサビを添えて醤油をたらして食べると、とんでもなくおいしい。人生で一度は食べてもらいたい絶品の味です。
やかんの黒じょかで飲み倒れ決定
ここいらで筋トレ生が終わったので、2杯目。1リットル飲んでいますが、あくまでまだ2杯目です。まだまだ飲めます。うふふ。
じゃじゃーん。「黒じょか」を頼みました。550円。
黒じょかは芋焼酎を前割りしたもので、テーブルでぬるめに温めてから飲みます。前割りとは製造過程で通常よりも焼酎を薄めたもの。単純に水で割っているのではなく、割ってから寝かしているので味がまろやかなのです。試しに通常の芋焼酎の水割りと飲み比べてしまいましたが、黒じょかのほうが「スッ」と飲めちゃいます。ある意味キケン。
飲み倒れの神様、ありがとう。心置きなくいただきます!
正直、黒じょかを飲んでから時の流れが早くなりました。あっという間に飲みきって3杯目に突入したので、そちらも紹介。
やきとんには力強い辛口日本酒が合うかと思い「菊水の辛口」に。1杯550円。今回は飲みませんでしたが、日本酒のラインナップに「獺祭50」もあります。
やきとん屋で飲み倒れ、最高です。
※はしたないので畳で寝転んではいません。本当です。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります