IoT&H/W BIZ DAY 2 by ASCII STARTUPレポート
最先端IoTがズラリ! ASCIIハードウェア祭りの展示ブースを見てきた!
8月26日に、ハードウェアやIoTプロダクト関連のスタートアップ関連事業者を中心とした、ビジネスセミナー・展示交流イベント「IoT&H/W BIZ DAY 2 by ASCII STARTUP」が開催された。ここでは、全22ブースの中で気になったIoT製品について紹介する。
「カッコイイラジオを作りたい」吉田アナの発案をメチクロ氏がデザイン、Cerevoが製品化した“ありえない”ラジオ「Hint」
まず紹介したいのが、ニッポン放送とCerevo、グッドスマイルカンパニーが共同開発するラジオ「Hint」だ。IoT&H/W BIZ DAY 2 by ASCII STARTUPでは、発案者の吉田 尚記アナウンサー、デザインを担当したメチクロ氏、Cerevoの柴田 健士氏が登壇したセッションも実施された。
セッションでは、「ラジオとしてありえない部分」について何点か紹介。その1つが、Eddystone規格に準拠したBLEビーコンを使用している点だ。Hintは、BLEビーコンを使用して、URLを配信することができるほか、放送局からDTMFを使ってビーコンを書き換えることも可能だ。吉田氏は「ビーコンは今年か10年後か、いつくるかわからないが必ず(使われる時が)くると思っています。ラジオを作るにあたって、今IoTにしなくてどうするという思いから、BLEビーコンを搭載しようと考えました」とコメントしていた。
また、AM放送局の放送エリアにおいて、従来のFM周波数76~90MHzに90.1~95MHzを加え、FM放送でAM放送の番組を聴取できる「ワイドFM」に対応しているのもポイント。パーソナリティーの声がより聴きやすくなるほか、CD音源も加工次第では普通よりもいい音を流すことができるのだという。
人は人の話を聞くのは好きだが、強制的には聞きたくない
吉田氏は、ラジオのニーズについて「人間は人の話を聞くのは嫌いじゃないが、強制的には聞きたくない、さみしいのは嫌だ、でもわずらわしいのは嫌だ」という点にあると説明する。そこで、部屋のどこに置いても同じように聞こえるという無指向性スピーカーを搭載することにしたのだという。そのほか、本体上部を押すとすぐにラジオが流れるのも、起動してからラジオが流れ出すまでに時間がかかっていた従来製品とは異なる点だろう。
スピーカーとしても使えるのであれば、普通のBluetoothスピーカー並み、それ以上の音質を実現したかった
さらに、展示ブースでは、Cerevoの柴田氏に話を聞くことができた。柴田氏は、Hintの制作で苦労した点はスピーカーとしての質の部分だと語った。ラジオを聴くだけでなく、Bluetoothスピーカーとして使うのであれば、普通のスピーカーと比べても遜色ないものにしたかったとのこと。そのため、上部のスピーカーのほか、底面にツイーターとウーファーを内蔵し、3WAYスピーカーにすることで、音楽もラジオの音もよりクリアーに流せるようにしたのだという。
Hintは現在クラウドファンディングを実施中で、2万1500円(Hint1台、送料込み)から支援を募集している。普段からラジオを聴くことがある人であれば、注目すべき商品ではないだろうか。
なくしたものを見つける、超小型なIoTデバイス「MAMORIO」
なくしたものを見つけてくれる超小型なIoTデバイス「MAMORIO」も出展していた。MAMORIOは、鍵や財布など、装着したものから30m離れるとスマートフォンが知らせてくれるIotデバイスだ。MAMORIOの大きな特徴は、MAMORIOのアプリをスマートフォンに入れておけば、ほかのアプリを入れている人が落とし物の近くを通ったときに、落とした本人に通知が行くという点。落とし物の近くを通った人には通知が行かないので、その人が拾って悪用……なんてことができないのもポイントだ。
また、落とし物から離れたときのスマートフォンが鳴るタイミングは設定で変更することも可能だという。今後は、他社製品とも連携し、MAMORIOのアプリで通知できる製品の拡充を目指している。そのほか、落とし物だけでなく、家族の見守り対策や、物流での展開もしていくという。価格は3500円。なお、MAMORIOはアスキーストアでも販売中だ。
ドアが開いたらスマホに通知、見守りデバイスとしても使える「Secual」
窓やドアに貼って使用するホームセキュリティーシステム「Secual(セキュアル)」も出展。Secualは、窓やドアに設置したセンサーが、振動・衝撃、開閉を検知し、不在時の警報に加えてスマホにも通知する。センサーが3780円/台、ゲートウェイは5940円/台、セキュリティーステッカーは540円で、使用料はゲートウェイ1台あたり月額1058円と低価格でホームセキュリティーを実現できる。
センサーはアプリ上で感度の設定が可能で、台風による強風などで誤操作することもないという。また、冷蔵庫に貼っておけば、その家にいる人がどれくらいの頻度で水分補給しているかがわかるなど、応用次第で家族の見守り対策に使うこともできるとしている。センサーはおよそ幅70×高さ70×厚み8mmとコンパクトで使用したい窓やドアに貼りつけるだけ。カジュアルにセキュリティー対策をしたい人にオススメだという。
クラウドファンディングサイト「Kibidango」は3製品を出展
成功率80%をほこるというクラウドファンディングサイト「Kibidango」は、プロジェクト開始予定のモーターガジェット「Keigan Motor」、スマートバッグ「SLICKS」、ペダルをこぐVRコントローラー「VirZoom」の3製品を展示していた。
Keigan Motorは、無線制御で動かすことができるトルクの入ったモーターガジェットで、複数使うことによりテレプレゼンスロボットなど、モーターの個数と使用する人の発想次第で幾通りものロボットを作ることができるのが特徴だ。今回は、先端にカメラを搭載したロボットが展示されていた。2016年中に、Kibidangoでクラウドファンディングの支援募集を予定している。
SLICKSは、通勤や出張のビジネスシーンにマッチするデザインでありながら、旅行やアウトドアといったレジャーにも使える多機能性を備えているバッグ。ノートパソコンやモバイルバッテリー、外付けHDDなどのワークツールに加え、スーツやワイシャツ、革靴などもすっきりと収納できるのが特徴だという。また、背負うだけでなく手さげタイプにも変形可能だ。こちらも近日よりKibidangoで日本市場向けプロジェクトを開催予定。
VirZoomは、VRゴーグルを装着し、フィットネスバイクにまたがってペダルをこぎながら体を傾けるだけでヴァーチャル空間を自在に動き回ることができるVRコントローラー。ペガサスに乗って空を飛んだり、レーシングカーでタイムアタックに挑戦したりできる。ハンドル部分に操作ボタンを備えているので、ほかの入力機器を使わずにゲームがプレーできる。実際にペガサスに乗ってみたが、ペガサスが地面を離れた瞬間に浮遊感がするほか、しっかりと空中を飛んでいる感じも味わえた。もしどこかで体験できる機会があれば、ぜひ別のゲームもプレーしてみたいと思った。
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