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将来的に読み取る目標はユーザーの『意思』

まばたきまでトラッキング可能な次世代のアイトラッキング『Eyefluence』

2016年08月15日 13時12分更新

 VR/ARヘッドマウントディスプレイ対応の視線トラッキング技術を開発するEyefluence社は、記者向けに開催したイベントにて、まばたきをも読み込んでトラッキングする技術を発表した。トラッキングされたデータはiPhoneの画面などで再生可能とのことだ。

 アイトラッキング技術とはもともと、医療目的で開発されたものである。

 眼球以外を自由に動かせなくなり、アイトラッキング技術を世界で最初に必要とした患者のジム・マーグラフ氏と医療技術の開発に携わるデイビット・ステイアー氏が2003年に共同で立ちあげたのがEyefluence社だ。

 そのため、「ポインタなどをコントロールするためだけの眼球の動きだけでなく、ユーザーの意思をも読み取れるアイトラッキング技術を開発することがEyefluence社の目標」と、マーグラフ氏は語っている。

左がマーグラフ氏、右がステイアー氏だ

 彼らがアイトラッキングの技術開発を試みた理由は二つある。一つは、身体的障害を持った人たちが眼球の動きだけでより円滑に他人とコミュニケーションを取れるようにすること。そして二つ目は、指を使わなくてもまばたきをするだけでスマートフォンを操作できるようにすることだそうだ。

 今までのアイトラッキングとは、視点の動きを読み取り、VRコンテンツに反映するだけのものだった。しかし、Eyefluence社は、そうした理由から、まばたきさえもトラッキングしようと試みたのだ。

 実際、Eyefluence社は『iUi』というものを開発している。このアイトラッキング技術を実際に体験した人によると、複雑な情報を目の動きだけでインプットしたり、素早くキーボードを打ったりするにも何の技術上の問題はなかったという。

 マーグラフ氏は、Eyefluence社は徐々にVR/ARのハードウェアとの連携を進めていると話しており、VR向けのアイトラッキングにまばたきのトラッキングが組み込まれる可能性があることを示唆している。

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