Xperia X Performance開発者インタビュー【後編】
Xperia X Performanceの音楽機能の強化点や4Kディスプレーが載らなかった理由とは?
緑の発色を強化したディスプレー
4K解像度モデルは「あきらめたわけではない」
──最後に、ディスプレーについてうかがいたいと思います。サイズが0.2インチ小さくなったことが取りざたされますが、逆によくなった部分を教えてください。
内田氏:いままでと基本方針は同じで、コントラストを上げ、色域を広げ、解像度を高めていこうという軸があります。これは、Xperiaに関わらず、ソニーグループの方針ですが、Xperia X Performanceではとくにコントラストと色域が上がっています。
変えたのはハードとソフトの両面からで、視野角、特に横から見たときのコントラストは、大きく改善しています。ハード的には、バックライトの改良によってこの進化を実現できました。ソフトは、色表現のところですね。今回は、特に緑色が鮮やかに出るようにしていて、その上でソフトでの表現をしています。
──「Xperia Z5 Premium」では4K解像度に対応していましたが、今回はシリーズの中に4K対応モデルがありません。VRなどの登場で高解像度へのニーズも高まっていますが、ここはあきらめてしまったのでしょうか。
内田氏:あきらめたわけではありません。
染谷氏:Xperia Z5 Premiumは、特にアジア圏で人気のある商品で、ラインアップとしてはまだ続いています。撮影からビューイングまでを一貫して4K対応にするということを、もうやらないわけではありません。
本体色と同じになったベゼルは
ディスプレーの設計にも影響?
──Xperia Z5 Premiumとはコンセプトが違うということですね。ちなみに、ディスプレー周りのベゼルもカラーごとに異なりますが、これも初めてでしょうか。いままでできなかった理由を教えてください。
内田氏:これまでできなかった理由に、タッチパネルのカバーガラスにタッチセンサーを持たせていたことがあります。その結果、技術上、黒と白しかできませんでした。
これに対して、今回はインセルタッチパネルを採用しているため、カバーガラス側にはタッチの機能がなくなりました。自由に色をつけることができたのは、そのためです。
金子氏:ただ、自由とは言いながらも、影響がないことはない。そのため、インクのトライは何回も重ねました。
──インクによって、そこまで違いがあるのでしょうか。
金子氏:デザイナーからはメタリック感を出したいという要望がありましたが、本当のメタルだと電気が通ってしまい、タッチに影響が出てしまいます(笑) そういったことにならないよう、インクの選定にも苦労しました。
──確かに、それはそうですね。本日はありがとうございました。
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