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ロープレで接客の技を磨くナレッジシェアアプリ「TANREN」を体験してみた

2016年07月20日 06時30分更新

ロープレの動画を投稿・評価してもらう

 ロープレの課題が届いたら、期限内に撮影、投稿してもらう。各店舗のスタッフ同士で撮影してもらおう。スマホで撮影できるので、特に難しい作業はない。TANRENを開くと、課題がある場合は目立つ場所に表示されるので、見逃さずに済む。ロープレの難しさの一つが、まずスタッフに無視されないことなので、ありがたいところだ。

 スタッフは課題のテーマや評価項目を確認したら、動画を撮影する。三脚などを使って一人で撮影してもいいが、同僚などに撮影を手伝ってもらってもいいだろう。動画が撮影できたら、アップするだけなので手間もかからない。

TANRENにサインインすると、未完了だったり見評価の項目が一番上に大きく表示されるので見逃すことがない

まずは投稿する動画を撮影する

課題を開く

「投稿する」をタップして動画をアップロードする。ファイルサイズが大きい場合はWi-Fiを利用しよう

アップロードが完了した

 次は、投稿された動画の評価を行う。評価者はまず動画をチェック。再生スピードを速めることができるので、大量の投稿をチェックする際には助かる。見終わったら、設定された6項目を評価する。評価はあえての星4つシステム。なぜ5つではないのか聞いたところ、良いのか悪いのかはっきりさせるためだという。確かに、星5つだと、「3(普通)」につけがちだが、「ややいい」と「やや悪い」しかないのなら、本気でチェックしなければならなくなる。

 コメントを書く欄もある。この評価は本人や周囲の人も見られるので、けなしまくるのは問題が起きそう。モチベーションがアップするように心がける必要がありそうだ。基準に達していないなら差し戻して、再提出させることもできる。逆にもの凄くできがいいなら、見本動画に登録することも可能だ。

課題の進捗もグラフとリストで簡単に把握できる。画面はPCのブラウザー

投稿された動画を再生してチェックする

4点×6項目の24点満点で評価する

情報を多角的に分析して組織を強くする

 「分析」タブではさまざまな切り口で合計や平均を確認できる。ランキング形式なので、やる気があるスタッフにとってはモチベーションアップに役立つだろう。「利用状況」では、どのくらいTANRENが活用されているか確認できる。経営者がばっちり状況を把握できるので、サボっていたらすぐにわかる。

 この一連の流れで、PDCA(計画→実行→評価→改善)サイクルを継続的に回し、事業の品質を高めていくことができる。それぞれのスタッフがロープレにチャレンジすることで、個別のスキルが可視化される。評価を見れば、何が得意でどこが弱いのかが一目瞭然。弱点を強化したり、強みを伸ばして売り上げにつなげることができる。

 また、経営層が指示しても、現場はなかなか新しいオペレーションをこなしてくれないもの。しかし、ゲーミフィケーションの要素があるので、TANRENにアクセスするのには抵抗が低そうだ。多店舗を経営していると、遠隔地のスタッフ同士が隔絶してしまうのがネックになるのだが、クラウドサービスをハブにしてつながることができるというメリットもある。

 今回は記事のためのテスト運用だったが、ロープレの必要性と効果は実感できた。BAR業界ではほとんど導入しているところはないが、もし先鞭を付けられればすごいことになりそうだ。

各評価者がそれぞれのアカウントで評価すると、ランキングなどが一覧できるようになる

スタッフの利用状況も詳細にわかる

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。

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