年々、高画質化するスマホのカメラ。もはやデジカメが無くとも不自由しない時代になっているかもしれません。ところが、そんな時代の流れに逆行するように、あえてデジカメの新製品を投入するスマホメーカーが現れました。一体どんな製品なんでしょう?
Meituはアジアを中心にセルフィー特化スマホを出すメーカー。最新モデルはフロントカメラが2100万画素と、もはやリアカメラの存在を忘れさせるほどの製品になっています。一部の国では、自社ブランドでセルフィー端末としてラインナップに加えるメーカーもあるなど、知る人ぞ知るセルフィー端末専業メーカーとも言えるのです。そのMeituに関しては過去に一度、スマホの記事として取り上げたことがあります。
記事内に書いたように、「カメラに強いMeitu」というブランドをよりアピールするために、Meituは2015年11月にデジタルカメラ「BF1」を発表。2016年上半期にリリースするはずでした。ようやく6月末に上海で開催されたMWC上海2016の同社ブースに初めて実機が展示され、いよいよ発売される見通しとなりました。
BF1のサイズは83×66.9×51.9ミリ、重量は228グラム。スマホメーカーの製品らしく、本体はシャッターボタンが上部にある程度どシンプルなインターフェース。背面の液晶はタッチパネルで、サイズは非公開ですが、3インチ程度はあり操作はしやすそう。
プレビューを見ながらピント位置を変えたり顔の表情にエフェクトをかける、といったことができるようです。スマホにアプリを入れて、BF1とWi-Fi接続も可能。アプリ側でBF1のレンズを通した映像をプレビューしながら写真や動画も撮影できるとのこと。
本体右側には充電端子とHDMI/miniHDMI端子が並びます。撮影した写真や動画をそのままTVに出力できるようになっています。本体左側にはバッテリーやmicroSDカードスロット、microUSB端子を備えているようですが、カバー部分を外すことはできませんでした。
BF1が優れているのはレンズが交換できること。しかも、規格はマイクロフォーサーズなので、市販されている各社のレンズを自由に取り付け可能です。なお、Meituは2016年2月10日にマイクロフォーサーズシステム規格へ正式に参加しています。
BF1のセンサーはソニー製の「IMX159」で、画素数は1600万画素。動画は4K(30fps)での録画が可能。撮影後の写真、動画はスマホ側のアプリを使い、自動転送することも可能です。ですが、残念ながら展示品は電源が入らず、画質のテストやスマホとの連携を試すこともできませんでした。
付属のレンズは1F3.5-5.6、14-42ミリ。35ミリ換算で28-84ミリですからこの手の入門クラスのカメラ用としては妥当なもの。
このレンズは自社製品とのことですが、どこかのメーカーの製品のOEM品かもしれません。レンズには光学手振れ補正を内蔵。最小焦点距離は20センチとマクロはやや弱め。用途に応じて市販のレンズと交換して使えるのがいいですね。
価格はまだ未定ながら、2万円台程度ならスマホのお供に買ってもよさそうですね。また、ソニーやオリンパスの出しているレンズスタイルカメラはスマホなどとの接続がほぼ必須ですが、BF1ならばこれ単体でもカメラとして使うことが可能です。
発売時期も未定ですが、ここまで製品が仕上がっているということは、夏くらいには出てくるかもしれません。スマホメーカーが手掛けるミラーレスカメラ、どんな製品になるのか楽しみです。
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