富士フイルムは7月7日、ミラーレス一眼カメラ「X-T2」を発表した。発売は9月の予定で、ボディーのみの予想実売価格は18万3000円前後。
3月に発売された、OVF/EVF切り替え可能なミラーレス一眼「X-Pro2」とともにダブルフラッグシップという位置づけの本機。
撮像素子に「X-Trans CMOS III」(2430万画素、ローパスレス)を、画像処理エンジンに「X-Processor Pro」を採用する点はX-Pro2と同じながら、AFに関しては新しいアルゴリズムを採用。特に動きのある被写体のAF性能が改善された。
コントラストAFでは、被写体の動き方に合わせて「急加速/急減速」などの5つのプリセットを選択できるほか、「カスタム」として「被写体保持特性」「速度変化特性」「ゾーンエリア特性」の3つの項目をカスタマイズできるモードも用意している。
ファインダーはEVFのみで、60fpsの表示が可能。また、シャッターを切った直後に画面が黒くなる“ブラックアウト”の時間を従来モデルの半分以下に短縮し、連写の際でも被写体を見失いにくくなっている。
動画撮影では、Xシリーズで初めて4K解像度に対応。さらに撮影に際に「フィルムシミュレーション」の効果を動画に追加できる。
オプションとして用意される縦位置グリップ「VPB-XT2」(税別希望小売価格 4万3000円)を装着すると、バッテリーを増強できる(撮影枚数340枚→1000枚)のはもちろん、本体性能も向上する。
具体的には、メカシャッター時の連写速度が秒間8コマから11コマに、撮影間隔が0.19秒から0.17秒に、レリーズタイムラグが0.05秒から0.045秒に、EVFの表示コマ数が60fpsから100fpsになるほか、4K動画の連続撮影時間が30分延長される。
このほか、10月に公開されるソフトウェア(プラグイン)を導入することで、PCからのリモート撮影が可能になる。
製品はボディーのみのほか、「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」が付属するレンズキット(予想実売価格 22万7000円前後)も用意する。
デジカメ市場はミラーレス機の成長が著しい
発表会では、同社取締役 常務執行役員 光学・電子映像事業部長の高橋 通氏が現在のデジカメ市場について解説した。
それによると、現在デジカメ市場全体の需要は落ちており、特にコンパクトデジカメとデジタル一眼レフについては落ち込んでいるという。
そんな中で伸びている市場がミラーレス一眼で、現在はデジカメ全体の約30%を占めているという。また、製品単価もデジタル一眼レフより15%ほど高い傾向にあり、確実に利益を出せる市場であるとした。
ミラーレス一眼における同社製品の位置については、直近の5ヵ月で約2割のシェアを獲得したとし、その牽引役となっているのがX-Pro2であると述べた。
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