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シリコンバレーのエンジニアに受け入れられた伊藤園『お~いお茶』

2016年07月11日 06時30分更新

大手企業によるスタートアップ企業への支援が加速している。直接的な投資や協業だけでなく、ピッチイベントの開催、イベントへの協賛、インキュベーションプログラム、アクセラレータープログラムの実施など。大手企業は何を狙い、スタートアップ企業へと近づくのか。

伊藤園 第2回(全4回)

 伊藤園が手がけるユニークなオープンイノベーション、ベンチャー支援の取り組み、“茶ッカソン”。シリコンバレーで茶ッカソンが誕生するまでの経緯を、前回に引き続き伊藤園広告宣伝部の角野賢一氏に話を訊いた。

伊藤園の第1回目から読む

たまたま目にしたGoogleの冷蔵庫がきっかけに

 アメリカ西海岸で販路を開拓すべく、約1年間、営業活動を続けてきた角野氏だったが、2年目からひとりで活動することとなったのをきっかけに、営業方針の転換を図る決意をする。

 それまでは、地元のスーパーや問屋といった、どこか1件でも契約が取れれば大量の受注が見込めるところを狙ってきた。

 これは食品、飲料メーカー営業の王道だ。

 しかし当時のサンフランシスコで伊藤園という企業や『お~いお茶』を知っている人はほとんどおらず、そもそも無糖のお茶を飲む文化すらない。これまでの営業は苦戦続き。そこで、まずは無糖のお茶を人々に受け入れてもらえるよう、消費者ニーズの掘り起こしから始めることにしたのだった。

 最初は学校や病院などがニーズ開拓に向いているのではと角野氏は考えていたが、たまたま訪問したGoogleのオフィスでフリードリンクの冷蔵庫を見た時に、「ここだ!」と直感する。

「当時そこにはアメリカの商品しか並んでいなかったのですが、ここにうちのお茶製品が入ればいいなと強く思ったんです」と、角野氏は振り返る。

 GoogleのようなシリコンバレーのIT企業で商品を扱ってもらうことのメリットは大きい。まずエンジニアたちは1日に何本も飲料を飲むので、売上が伸びる。また、今をときめく最先端企業の社員がSNS等で推奨すれば世界中へのアピールも期待できる。

「あと、意外性のある仕事やワクワクする仕事をやりたいという思いが常にあるので、この世界に伊藤園のお茶を入れられたら、なんか格好いいしおもしろいなというのもありました」(角野氏)

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