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シリコンバレーのエンジニアに受け入れられた伊藤園『お~いお茶』

2016年07月11日 06時30分更新

エンジニアのファンを次々に開拓し、GoogleやFacebookの売上トップに!

 さっそくお得意の飛び込み営業を開始した角野氏だったが、やはりツテも何もない飛び込み営業ではなかなかとりあってもらえなかった。そんなある日、エバーノート日本法人の外村仁会長に相談したところ、いきなり企業の意志決定者に売り込むよりも、皆が自然と飲みたくなる環境づくりをした方がいいのではとアドバイスを受ける。

「シリコンバレーはエンジニアの街なので、エンジニアと交流してその独特の文化を理解してからアプローチした方がいいとも言われました」(角野氏)

 それから角野氏は、お茶と氷とバケツを手に、Meetupと呼ばれるエンジニア同士の交流イベントに毎晩のように通うようになる。最初のうちは参加者たちから好奇の目で見られるだけだったが、やがて角野氏が差し出すお茶を手にしてくれるようになっていった。そして最終的には、彼らがFacebookやYahoo!など様々な企業のカフェテリアのトップ等に顔をつないでくれて、取り引きが始まっていったのである。

 角野氏は言う。「やはりエンジニアの影響力は大きいなと実感しました。どこの企業もエンジニアをとても大事にしているので、彼らが『これいいよ』と言えば積極的に動くんですね。シリコンバレー独特の文化なのでしょうけど、それが見事にはまりました」

 ひとたび採用されると、同社の『お~いお茶』と『TEAS' TEA』は、GoogleでもFacebookでも常時社内売上ナンバー1と2位を占める程の人気となった。それまでなかった無糖のお茶はユニークだと評価され、その味と風味も歓迎されたのだった。

「“商品を売るのではなく人を売る”といのが、うちの営業スタイルなのですが、それが見事に当たったと自負しています」(角野氏)

 シリコンバレーのエンジニアは、企業の枠を越えた横のつながりが非常に強い。角野氏は、現地のスタートアップ界隈にも積極的に顔を出すようになり、「シリコンバレー中のスタートアップにお茶を入れてもらい、一大ブームを起こしたい」などと熱弁した。

「“みんながITで世の中を良くしようとしているのであれば、自分はTeaで世界を変えるんだ”とおもしろ半分で話したりすると、そんなストーリーを楽しんでくれて、応援してくれるんです。どんどんつながりが深まっていきました」(角野氏)

 このスタートアップとの交流がやがて“茶ッカソン”へとつながるのだが、そのストーリーは次回に持ち越すことにしよう。

伊藤園広告宣伝部 角野賢一氏

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