「MWC Shanghai 2016」は世界的なモバイル通信の展示会ということもあり、ワールドワイドで使える、いわゆる“旅人向け”モバイルルーターやSIMも数多く見かけた。こういった世界対応のモバイルルーターやSIMのトレンドは“シームレス”。SIMを入れ替えたり国が変わるごとにプランの申し込みを変えたりといった手間をかけず、すぐにその国で通信可能な状態になるのがポイントだ。
世界100ヵ国で定額利用できるルーター「Konnect i1」
NUU Mobileが発表したモバイルルーター「Konnect i1」は、世界初のeSIMを内蔵したモバイルルーター。世界100ヵ国の通信サービスに対応しており、8ドル/日で定額通信が可能(500MB/日で速度制限あり)。
4G LTE通信に対応しており、2つのモデムチップ(MSM8909、MSM8208)を搭載することで対応バンドが多いのも特徴。FDD-LTEはBand1/2/3/4/5/7/8/17/20、TDD-LTEはBand39/40/41が利用できるので、LTEのサービスがスタートしている国なら高速での通信が手軽に利用できる。
本体サイズは約68.6(W)×12.6(D)×124.6(H)mm。バッテリーは3600mAhで、約12時間の連続利用が可能とのこと。またリリース時には専用アプリを使ってPSTN音声通話サービスにも対応する。
8月リリース予定で価格は100~120ドルほど。日本での展開は未定とのことだが、国内のMVOと商談をしているとのことなので国内発売に期待したいところだ。
日本で発表されたばかりの「GLOCAL NET」に早くも新モデル登場
SIMの交換不要で世界各国での通信が可能なモバイルルーターとして注目されている「GlocalMe」。日本でも現行モデルの「GlocalMe G2」が、7月1日から「GLOCAL NET」として販売を開始している。GlocalMeシリーズの新モデル「GlocalME U2」が、端末を開発しているuCloudlinkのブースで紹介されていた。
前モデルはタッチディスプレーを搭載し、各種設定が端末で行なえるようになっているが、「GlocalMe U2」はディスプレーなしのシンプルなデザイン。各種操作や設定はスマホと連携して行なうとのこと。
そのほか基本的なシステムは「GlocalMe G2」と同じ。SIMスロットのひとつに制御用の“クラウドSIM”が搭載され、同社のサーバーと連携。訪れた国のSIM情報が読み込まれ、通信ができるようになる。
複数スロットがあるので、サービス未提供地域では現地プリペイドSIMなどを挿して利用できるというのも同じだ。
本体サイズは約65.7(W)×14.2(D)×127(H)mmで重量は約151g。バッテリーは3500mAhで13時間の連続使用が可能。発売は8月を予定しており、価格は未発表だが現地説明員によると、GlocalME G2よりも低価格でリリースできるとのこと。
老舗のWorldSIMに無料Wi-Fiサービスが追加
1枚のSIMでローミングサービスによる通話や通信が行なえる「WorldSIM」。飛行機の機内販売誌などでもよく取り扱われており、旅人ならいちどは目にしたことがあるSIMサービスだ。
このWorldSIMについての発表会がMWC Shanghaiで開催され、新たにWi-Fiサービスを使った「WorldSIM INFINITY」に進化したことがアナウンスされた。
モバイル通信としてのサービスは従来どおり。これに、世界120ヵ国、5000万のWi-Fiアクセスポイントが利用可能になる。Wi-Fiの利用料はSIMカードの価格に含まれているため、別途支払いは不要。利用できるアクセスポイントは空港やホテル、飲食店などの公衆無線サービス。さらに飛行機内のWi-Fiサービスが利用できるケースもある。
Wi-Fiへの接続方法はアプリを使用し、アクセスポイントごとの登録や設定は不要。WorldSIMのCEO、Arif Reza氏は「WorldSIMをスタートして約10年経つが、現在でも旅行者の70%が海外に行くと電源やモバイル通信をオフにしてしまう」と現状を解説。さらにローミングサービスなどが未だに高額なため、旅行先の通信手段としてはWi-Fiがいちばん使われていることから、今回のサービスをスタートしたとのこと。
サービスのスタートは7月末を予定しており、同社のサイトでは、45ドルで予約販売が開始されている。
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