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これからはモバイルファーストからAIファースト

グーグルが「検索と機械学習」で働く人の生産性を高めると意気込む

2016年06月22日 18時00分更新

 「デジタル化が進んで、仕事の効率化が進んだはずなのに、仕事量は減らない」なんて声をよく聞くが、グーグルがこの問題解決に乗り出した。

 ベイン・アンド・カンパニーの調べによると、1970年代の平均的なマネージャー職に就く人は5000件/年の電話に対応していたが、1990年代は1万件/年のボイスメールに対応していたそうだ。それが2010年代は5万通/年の電子メールと人間としての処理能力を超えるほどの数に膨れ上がっている。

 仕事における情報量が爆発的に増加し、その結果、マネージャー職は週平均6.5時間しか自分の仕事に割けないという、事態に陥っているという。

 グーグルは検索やマップなど、同社の代表的なサービスの中で「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を使命にしてきたが、いまエンタープライズの中で取り組んでいるのが、働く人々の「情報整理」だ。

4月28日付けのグーグル公式ブログから、CEO Sunder Pichai氏のメッセージの抜粋

 4月28日、グーグルのCEO Sunder Pichai氏が公式ブログの中で「モバイルファーストからAIファーストへ。このことが全ての人の働き方を劇的に変えられると、私たちは信じています。」と述べているが、これを具現化するサービスがのひとつが6月14日、企業向けの「Google Apps for Work」スイートの新製品「Google Springboard」とリニューアル版「Googleサイト」といえよう。

Google for Work エンジニアリング担当、バイスプレジデントのプラバッカー・ラガバン氏。先日開催されたGooge Atmosphereでは機械学習テクノロジーを使った製品開発や新製品として「Google Springboard」とリニューアル版「Googleサイト」を紹介した

 Google Springboardは、まるで「デジタル秘書」のようなサービスだ。ユーザーの必要なときに、正確な情報を探してプッシュ型で通知してくれる。例えば、会議の前に関連する資料などを提示してくれるという。情報のソースは、Google Apps内のGmail、カレンダー、ドライブ、連絡先などで、全ての情報を素早く横断して検索し、機械学習が予測しながら必要な情報を提示し、ワークフローを助けるという。

 新しくなったGoogleサイトは、利用しているデバイスの画面サイズに合わせて、表示サイズが変化するテーマやレイアウトが用意されている。例えば、マニュアルや報告書などの企業内で集約・配布するコンテンツを構築する。オフィス内のデスクトップから現場にいるスタッフのタブレット、スマホまで、本社や支店、時差が異なる拠点からでも、複数のユーザーが簡単に共同作業ができるという。

 グーグルは、エンタープライズ検索においても15年以上の実績があるが、機械学習などの新技術を投入することで、私たちの働き方がどれほど「劇的に変わる」のか、近い未来に期待したい。

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