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テックベンチャーだったリコーのオープンイノベーション

2016年06月13日 06時30分更新

 大手企業によるスタートアップ企業への支援が加速している。直接的な投資や協業だけでなく、ピッチイベントの開催、イベントへの協賛、インキュベーションプログラム、アクセラレータープログラムの実施など。大手企業は何を狙い、スタートアップ企業へと近づくのか。

リコー 第2回(全3回)

 ヘルスケア分野やセキュリティー分野を中心に、グローバルにベンチャー支援を展開しているリコー。連載2回目となる今回は、同社のベンチャー支援の歴史を振り返るとともに、現在の支援体制そして担当者の思いに迫りたい。話を訊いたのは、リコー本社事業所 新規事業開発本部 オープンイノベーション推進室の澤田智裕副事業プロデューサーだ。

テックベンチャーとしてのリコー

 実はリコー自身のルーツも、理化学研究所から生まれたテックベンチャー企業にある。1927年に理化学研究所の桜井季雄博士が“紫紺色陽画感光紙”を発明し、世界5ヵ国で特許取得後、商品化。そして1936年にリコーの創業者である市村清氏が、この感光紙でビジネスを展開すべく、理研感光紙株式会社を設立したのであった。

「特化した技術で小さな事業からスタートする──リコーの創業時はまさにテックベンチャーそのものだったのです」と澤田氏。

 その後、時を経て1997年から2000年の期間には、アメリカのシリコンバレーにCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を開設してベンチャー企業への直接投資を実施。続く1998年以降は、複数のファンドに出資する間接投資へと方向転換を図った。

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