大手企業によるスタートアップ企業への支援が加速している。直接的な投資や協業だけでなく、ピッチイベントの開催、イベントへの協賛、インキュベーションプログラム、アクセラレータープログラムの実施など。大手企業は何を狙い、スタートアップ企業へと近づくのか。
リコー 第1回(全3回)
複合機をはじめとした事務機器や、デジタルカメラに代表される光学機器などの製造と販売を手掛けるリコー。グローバルにビジネスを展開する同社では、どのようなスタンスでベンチャー支援に取り組んでいるのか──。リコー 本社事業所 新規事業開発本部 オープンイノベーション推進室の澤田智裕副事業プロデューサーに訊いたお話を3回にわたってお届けする。
連携先はベンチャーでも大企業でも
現在、リコーがベンチャー支援で特に注力している領域が、ヘルスケア分野とセキュリティー分野である。このうちヘルスケア分野のメディカルイメージング領域では国内医療機器ベンチャーとの連携を進めており、技術開発チームが常駐して製品化の実現性を見極める段階にまで進んでいるという。未知の市場において新製品がどれだけの競争力があるのか等の市場調査もベンチャー企業と共同で実施。目下、製品化に向けて更なる連携強化を図ろうとしているところだ。
澤田氏はこう語る。「目指しているのはあくまで医療サービスの“質”向上なので、連携先の企業は特にベンチャーに限らず、大手企業とも連携をしている例もあります。将来的にはヘルスケアITやバイオメディカルの領域も目指していきたいので、そこで新たなビジネスを創造できるパートナーを企業の規模を問わずともに積極的に見つけていきたいと考えています」
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