中国・深センの電脳街といえばいまや世界中からバイヤーが集まるエリア。ありとあらゆるスマホのケースが卸値価格で売られています。そんな「ケース問屋街」となった深センで、急激に増えているのがVRゴーグルのお店。「Galaxy S7 edge」などで使える「Gear VR」に負けじと、名も無い中国メーカーたちがさまざまなVRゴーグルやVRグラスを売り出しているのです。
深セン電脳街と言えば、いまやスマホのケースを取り扱う問屋だらけという印象。多くのビルの中には多数のケース屋が入っています。もちろん個人でも買うことができますが「これいくら?」と聞くと「何個買うの?」と言われます。「赤を1個と白を2個」なんて言うと「1個は高いよ」なんて話になるので、とりあえず「5個か10個かなぁ」なんて具合に値段を聞くのがベター。なお、ここは「100円? 90円にならないの」なんて値切る場所ではありません。「100個買ったら90円にするよ」という世界なのです。まあ、気になるグッズは友人のぶんも含めて5個くらいまとめて買うのがおトクです。
訪問したのは2016年5月下旬。いまの旬な製品はやはりGalaxy S7とS7 edgeで、目新しいケースがたくさん売られています。もちろんちょっと変なリスキー系ケースも多数。そのあたりの詳細はこちらの記事を見てもらうとして、今回気になったのはVRゴーグル。スマホを装着するとVRが体験できちゃうゴーグルですね。そのVRゴーグルを取り扱うお店が急増していたのです。
専用機より汎用機の多い深センのVRゴーグル
ケース屋さんが並ぶビルの中を歩いてみると、所々でVRゴーグルが山積みされている光景を目にします。あちこちで売られているそんな姿を目の当たりにすると「VRっていま、大流行なんだ」と勘違いしてしまうかもしれません。でも、お店に立ち寄るお客さんの様子を見ていると、ほとんどVRのことをわかっていない人ばかり。「こうして見ると、ほら、周りが動いて見えるでしょ」、「おお! すごい!」なんて店員さんと客の会話があちこちから聞こえてきます。
サムスンのGear VRのように特定端末専用のVRゴーグルは高性能なだけあって価格も1万円程度します。一方、ここ深センで売られているVRゴーグルはほぼすべてが汎用品。あらゆるスマホを装着可能です。その代わりVRゴーグルには機能は無く、VRコンテンツは「Google Cardboard」用のものを利用します。つまり、グーグルが無料で配っている紙製のVRグラスをプラスチック製にしただけ、という代物なわけです。
Gear VRなどの高性能なVRゴーグルや、さらに本格的な「HTC Vive」ほどの臨場感あふれるVRは体験できないものの、目のまわりがきちんとおおわれるだけあって、これらの簡易的なVRゴーグルでもそこそこVRコンテンツを楽しむことができます。
各社のVRゴーグルの構造はスマホが装着でき、左右の眼の間に仕切りを入れるだけ、と簡単なもの。そのため参入メーカーが増えているようで、深センの各店を見てまわったところすでに10種類以上の製品を見つけることができました。なお、スマホを装着してしまうと画面操作ができないため、Bluetooth接続の十字キーを搭載したコントローラーを付属している製品も多数あり。
製品の中身はヘッドフォンをくっつけて臨場感あふれる音楽再生も楽しめる製品もありました。とはいえこれ、オリジナル製品がたしかあったはず。まあ、VRゴーグルも各社見た目はどうしても似通ってしまいますから、差別化するために各社今後さまざまなデザインバリエーションを考えていく必要があるでしょうね。いまのままの単機能製品だと、いずれ1個100円、なんて激安品も出てくるでしょうから。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります