株式会社マイファーム、株式会社坂ノ途中、一般社団法人フードトラストプロジェクト、一般社団法人オーガニックヴィレッジジャパンは4月28日、「次代の農と食を創る会」の結成についての発表会を開催した。有機栽培農業の推進によって日本の第一次産業を支援に取り組むとのこと。具体的には、ポータルサイトの開設、生産者と消費者(実需者)のマッチングサービス、有機栽培についての講習会・研修会の開催、コーディネーターの派遣などを実施する。また、毎年12月8日を「有機農業の日」と定めて啓蒙活動を進めていくそうだ。
各社、団体の役割分担としては、マイファームが新規参入・定着などの促進支援事業、坂ノ途中が生産・実需情報共有・調整システム構築支援事業、フードトラストプロジェクトが消費者・実需者などの理解増進活動支援事業、オーガニックヴィレッジジャパンが情報発信やコーディネートを、それぞれ主導する。農水省の「オーガニック・エコ農産物安定供給体制構築全国推進事業」の一環として認められており、国からの助成金も活用する。これらの活動により、現在は日本国内で1%にも満たない有機農業の規模を10倍に高める狙いだ。
坂ノ途中代表の小野邦彦氏によると、レストランなど飲食店の経営者はオーガニック野菜を使いたいというニーズがあるものの、生産者にたどりつくことができないことが多いそうだ。また、オーガニック野菜は少量生産になることも多いので、不作などで数がそろわなくなると仕入れに影響するという問題があるとのこと。生産者と消費者をマッチング可能なポータルサイトの開設によって、こういったミスマッチや期間損失を解消していきたいとのこと。また、農業は家単位で完結することが多く、仕事上での横のつながりが希薄な点も問題とし、農業日誌などをデジタル化することで情報共有が可能になるほか、専門家からのアドバイスも受けられるようにするとのこと。
マイファーム代表の西辻一真氏は有機栽培について、従来の慣行農法を経験している農家の方は、設備や育て方、栽培できる量などが異なるのでなかなか移行が進まないが、これから農業を始めたい人であればハードルはそれほど高くはないとのこと。これまで有機栽培で失敗してしまったケースとしては、販路が限られている、栽培に手間がかかるという問題もあったが、失敗の最も大きな要因は生産者の技術不足とのこと。きちんとした講習を受けて有機栽培について勉強すれば、栽培に関するリスクは軽減できるそうだ。「有機栽培の問題のひとつとして、害虫駆除などの手間がかかることですが土壌改良により虫が寄りつかない畑に変えることもできる」とのこと。経験に頼るだけでなく、科学的なアプローチも導入することで、失敗しない有機農業を広めていくそうだ。
実際の活動はこれからとなるが、2016年10月メドにポータルサイトの開設を進め、2017年度には生産量予測や需要予測などのデータから生産者間で栽培計画の最適化やマッチングなどを図っていくそうだ。照覧の計画としては、ポータルサイトでの決済機能の実装、土壌データの集積による相対比較などのサービスも取り入れていくとのこと。
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