腕時計ベンチャーのKnotが横浜・元町に直営店をオープンする。29日に会員向けプレオープン、30日に正式オープン。同社製の腕時計を試着できる。価格は1万円台から。直営店は東京・吉祥寺、大阪・心斎橋に続く3店目。
場所は元町・クラフトマンシップストリート。工房併設の宝飾品店やカバン店、家具の修理店などが並ぶ一角にある。かつては洋風家具の町工場が立ち並んでいたという歴史的ないわれがあるそうだ。
店内はファクトリー(工場)のコンセプトで統一。壁には腕時計のパーツをつくる人びとの写真が並ぶ。店の奥には実際に職人が入って腕時計やストラップの製造工程を見せる工房スペースを設けた。工房スペースは外からも目に入る。
工房スペースの手前では、29日発売の機械式腕時計「AT-38」をガラスケースで展示販売。専門スタッフがコンシェルジェ役にあたり、仕様や製造工程を説明する。ストラップも好きなものを選択可能だ。
なお、プレオープンの29日には会員限定で「フルカスタムオーダー」を受けつける。ケース、文字盤、針、りゅうず、すべてカスタマイズ可能。ケースの裏側に10文字までの名前も刻印できる特別サービスだ。
パーツを両手にもち、カスタマイズするのはとても楽しい。これだけ種類があると決めるのが難しく、すべて選び終えるまでには時間がかかる。黒ケースに白文字盤というモノトーンが個人的には気に入った。「黒ぶち」と名づけたい。
元町店は、吉祥寺店に集中する客の受け皿にするという意味合いもあるそうだ。吉祥寺店では最近行列が店の外まで伸びている。ニュース番組で紹介された翌日など、長いときは1時間待ちということもあったとか。
元町店の敷地面積は吉祥寺店よりも広く、余裕をもって歩きまわれた。全体に新しくもなつかしく、風通しのいいショップができたという印象だ。
ただ、機械式腕時計のガラスケースにはちょっとさみしい気持ちもあった。
Knotは今までショーケースにガラスをはめない「手の届く腕時計」というコンセプトを貫いてきた。北欧風のデザインは女性的で若々しい気持ちよさがあった。実際、客の半数は女性だという。白い手袋をはめた男性スタッフにうやうやしく時計を持ってこられると、気持ちがかしこまり、ふわふわしてしまう。
とはいえ機械式腕時計はKnotがかかげるクラフトマンシップ、職人技能の象徴でもある。それを旗印にかかげ、横浜から新たな船出をしたと考えれば納得のいく話ではある。はじめにベンチャーの集まりでKnotを見かけたときから、もう早いもので2年が経とうとしている。新たな船出の無事を祈りたい。
Maker’s Watch Knot
横浜元町ファクトリーショップ
住所 神奈川県横浜市中区元町3-136 タカラダビル1F
みなとみらい線「元町・中華街駅」徒歩5分
JR線「石川町駅」徒歩5分
営業時間 11:00~19:00(月曜定休)
盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ、記者自由型。戦う人が好き。一緒にいいことしましょう。Facebookでおたより募集中。
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