日本ではまだまだ使えるところの少ないApple Pay。これまでにハワイで銀行口座を作り(関連記事)、ロンドン(関連記事)や舞浜、沼津港で利用してきた筆者ですが、まだ訪れていなかったのが函館です。
函館駅前にある「函館朝市」では、2014年にNFC決済や電子マネーを決済手段として導入、VISAの「payWave」やMasterCardの「PayPass」を利用できます。このことから、正式対応をうたっているわけではないものの、Apple Payが使える可能性が高いと考えられます。
果たして函館朝市でApple Payは使えるのか、早速レポートしてみたいと思います。
お店によって異なる電子マネーの扱い
函館駅からすぐ見える場所にある函館朝市には、多数の商店や飲食店が並んでいます。NFCや電子マネー決済を導入した「函館朝市ひろば」は、その中にある建物のひとつで、複数の商店が集まったマーケットのようになっています。
ひろばに足を踏み入れてみると、各店舗はいかにも「現金決済」といった雰囲気で、とても電子マネーが使えそうな感じではありません。
試しに、干物を扱っているお店で尋ねてみたところ、高齢の店主から「申し訳ないが、決済端末の電源を落としているので使えない」との説明が。詳しく話を聞いてみると、お客さんの利用頻度が少ないことやお店への入金までに時間がかかること、カード会社などから手数料を取られることを難点に挙げていました。
たしかにこういった小さなお店において、運転資金の確保が死活問題であることは容易に想像できるところです。
一方、ひろば内には訪日外国人向けの英語表記や「カードOK」と明記しているお店もあります。比較的若い店主に話を聞いてみたところ、電子マネーOKとの回答。「WAONを使うお客さんが比較的多い。ひろば内でも、いくつか使えるお店はある」との説明でした。
さっそくApple Payで決済すべく、MasterCardの「PayPass」の利用をお願いすると、なにやら困っている様子。本来は店員用の端末を見せてもらったところ、そこにはEdyやiD、交通系ICカードの選択肢はあるものの、PayPassはありません。画面をスクロールしていくと、最後に「NFC PAY」という項目がありました。
あとは金額を入力し、客用の決済端末に金額が表示されれば、Apple Payを設定済みのiPhoneを近づけて指紋認証するだけ。センターとの通信が終わるまで5〜6秒待って、決済完了です。
Apple Payで海鮮丼もいっそう美味しく
ひろばでのApple Pay成功に気を良くした筆者は、続けて海鮮丼で有名な飲食店街「どんぶり横丁市場」を訪問。ここではpayWaveやPayPassを含む決済手段のロゴを掲示するお店が何軒かあり、期待が高まるところ。
もちろんお会計にはApple Payを利用。システムは函館朝市ひろばと同じものだったので、最初から「画面を右端までスクロールしてNFC PAYを選び、金額を入れてください」とダイレクトに指定。店員さんを戸惑わせつつも決済に成功し、「長く勤めているが、NFCというのを使ったのは初めて」と感謝(?)されました。
Apple Pay日本上陸を見据えた動きに期待
函館朝市がある函館駅とはちょっと離れているものの、せっかくなので北海道新幹線が開通した「新函館北斗駅」も訪れてみました。ただ、ここでは残念ながらNFC決済が使えるところはなく、SuicaやJR北海道の「Kitaca」を始めとするFeliCaベースの電子マネーや、クレジットカードのみの対応でした。
現時点でのNFC決済は函館朝市を含め、インバウンド客と呼ばれる訪日外国人向けが中心になっています。しかし、Apple Payの日本上陸が見えてくれば、先行して導入を検討するお店も増えるはず。日本国内ならたいていの場所には取材に行けるので、ぜひご連絡いただければと思います。
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