オオグソクムシは甲殻類の味がする
今回試食したメニューは「オオグソクムシの丸揚げ」(1980円・税抜)、「オオグソクムシの和風チリソース」(1980円・税抜)「ミルクガニの丸焼き」(3500円・税抜)。
なお、「ヌタウナギの蒲焼き」(1800円・税抜)は仕入れがなく、提供ができなかったとのこと。ざんねん。
ちなみに、焼津 長兼丸がオオグソクムシを卸しているのは都内ではここだけ。焼津で水揚げされるオオグソクムシは、駿河湾の桜えびをエサにしているそうで、「味が違う」そうだ。ほかと食べ比べていないので、筆者としてはなんともいえない。
まず、丸揚げを食べてみる。確かにエビやカニのような、甲殻類の味が強い。なにしろ見た目が見た目なので食べるのには勇気がいるかもしれないが、少なくともエビ・カニが苦手でなければ、受け入れられる味わいだ。
ただ、外殻はかなり硬い。エビを、カラを剥かずにそのまま丸揚げしたような感じだと思えば近いだろう。カラを剥いて、中の肉だけ食べるのもアリじゃないかと筆者は感じた。
和風チリソースはエビチリにヒントを得て開発されたメニューということだが、やや淡白なオオグソクムシと、辛めのソースの相性はなかなかよい。おつまみに最適な一品だ。ソースをかけても、見た目は変わらないけど。
続いては、ミルクガニの丸焼き。ミルクガニは正式名称をエゾイバラガニと呼び、駿河湾の水深800mに生息する。都内ではまずお目にかかることのできないレアな甲殻類だという。
エゾイバラガニという名前ではいまいち売れなかったが、火を通すと乳製品のような香りがすることから漁師さんが「ミルクガニ」と名付けたところ大ヒット。「ミルクガニの漁船が出る日には、港で整理券を配布するぐらいの人が来ることもある」(久志さん)そうだ。
ちなみに2009年の駿河湾地震の影響で、焼津での漁獲量は激減。今年になって、ようやく再び網にかかるようになったのだという。
匂いをかいでみると、確かに普通のカニにはない甘い香りがする。肉はぷりぷりとした食感があり、味は濃厚で、甘みも強い。人気になるのもうなずける。お値段は少々高く感じるが、それほど貴重ということなのだろう。
というわけで、都内でレアな深海生物を食べられる貴重なチャンス。みなさんも興味があればチャレンジしてみてほしい。
コジマ
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。生来の不器用さと心配性を周りからツッコまれつつ、原稿や取材などと格闘している。
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