PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』から、面白いゲームを発掘して紹介するレビュー連載。第28回目は、「手動で資源採掘したり加工したりするのめんどくさい……そうだ、全部自動化すればいいんだお!」を地で行くゲーム『Factorio』を紹介する。
このゲーム、最初にチェックしたときはジャンルにストラテジーとあり、トレーラーも飛ばし飛ばしで見たせいで「工場を作るシミュレーションゲームかぁ……」と思って敬遠していたのだが、とんだ勘違いだった。
Factorioは未知の惑星に墜落した主人公がそこから脱出するために頑張るサバイバルゲームであり、そのなかで通常であればプレイヤーが行なう資源の採掘やアイテムのクラフトなどを機械に任せてしまうゲームなのだ。
つまり実態はトップダウンビューのクラフトアクションゲームであり、プレイヤーがの~みそをこねこねして自分が死ぬほど楽できる工場をつくるゲームというわけである。でもこれ、たしかに手先は楽なんだけど頭の方はフル回転してるような……。
日本語なのでシステムをしっかり理解できる
まずはキャンペーン“base/小さな一歩”から始めていこう。言い忘れていたが有志の協力により本作は公式に日本語化に対応している。このため、このキャンペーンを通してプレイすることでゲームのシステムと流れをしっかりと理解できる。
キャンペーンは宇宙船が墜落し、プレイヤーが未知の惑星にたどり着いたところから始まる。乗ってきた宇宙船は壊れており、残骸からいくつかの素材を手に入れるくらいしか役に立たない。
「このままでは死んでしまう!」ということでプレイヤーは脱出ロケットをつくることになる。もちろんひとりで。
そんなわけで宇宙船の残骸から手に入れた鉄板から鉄の斧をクラフトし、いろんな資源を手に入れていこう!
資源集め、それ機械がやれば良くない?
クラフトゲーは何をするにも資源が必要。早速右クリック長押しで石炭や鉄鉱石を集め、石の炉で鉄板をつくり続けているうちにこう思うはずだ。
「め ん ど く さ い 。」
そう、めんどくさいのだ。だからめんどくさいことは機械に任せてしまおう。人間様がせっせと働く時代はおわったのだ。
燃料式掘削機をつくってそこに石炭を放り込めば、あとは機械が勝手に石炭やら鉄鉱石など指定した資源を黙々と掘ってくれる。
しかし、そのままでは掘った資源を手動で回収しないと機械のインベントリがすぐにいっぱいになってしまう。掘るのは自動だが取るのは手動……ああめんどくさい。
だからそれも自動化するお!
機械に目の前にベルトコンベアを設置すれば、掘ったものはそのままベルトコンベアに流して貰える。さらにコンベアの終着点にインサータ(ロボットアーム)を設置すればベルトコンベアに流れてきたものを自動でチェストに入れてくれる。
これはとても楽だ!
という感じで石炭や鉄鉱石、銅鉱石など様々な資源を自動で採掘させ、プレイヤーはそれを指定したチェストからそれを拾うだけで良いというなんとも楽な自動採掘システムが誕生した。
お前はまだ本当の工業化を知らない
しかし、ここまでで紹介した“楽”はFactorioにおいてまだ“楽”ですらなかった。
プレイヤーは本当の工業化をキャンペーンの続きで学ぶことになる。それがコレだ。
なんという、人工的に整えられた美しさなんだ……。
Factorioではキャンペーンを進めていくと、ご丁寧に開発者側が「このような工場にすれば最適に自動化できる」と教えてくれるのだ。つまりキャンペーンをやるだけで、採掘→輸送→精錬→加工→さらに加工といった一連の流れを実地で身につけることができる。
ただし、この流れで気をつけれなければいけない点がひとつだけある。それは、「いつかは資源がなくなる」ということだ。全てを自動化したとしても、資源ばかりは取り尽くせばなくなってしまう。
そのためプレイヤーは広い惑星を探索して、新たなる資源を工場まで輸送しなければいけない。もちろん輸送も機械に任せてしまえるので、プレイヤーの仕事は仕組みづくりだけでOKだ。
資源を根こそぎ消費する憎い侵略者め!
そんなプレイヤーを悩ませる存在が敵のワームだ。未知の惑星にはワームが生息しており、プレイヤーを見つけ次第その命を奪おうと襲ってくる。
普通に考えるとプレイヤーの敵=悪者なのだが、ワーム側からすればプレイヤーは突然空から降ってきて自分たちの星の資源を根こそぎ持っていく侵略者なのだから、ワームのほうが行動としては正しい。
正しい、が、やはり人間様としてもお家に帰りたいので邪魔するワームは排除するに限る。
よって武器をクラフトして迫り来るワームを退治するわけだが、退治しているうちにこう思うはずだ。
「倒 す の 、め ん ど く さ い 。」
そう、めんどくさい! ここは自動化惑星Factorio! ワームの撃退も自動化してしまおう!
ガンタレットを生成し、弾丸の自動供給回路をつくり上げてしまえばもう何も心配することはない。
マルチプレイにも対応
なお、このFactorioはサンドボックスで遊ぶシングルプレイのほかマルチプレイにも対応している。フレンドとプレイすることで、新しい発想の工場を作ることもできるはず。
お気付きの方もいると思うが、Factorioでは資源集めやクラフトを自動化できるが、その工場をつくるのは手動なのだ。「あーでもない、こーでもない」とわいわいしながらプレイすれば、工場をつくっている時間もきっと楽しいぞ。
ただし、工場の性能はプレイヤーの頭の性能によるため、頑張って自動化させたけど「う~ん」なデキなこともある。そこはまぁ3人寄れば文殊の知恵ということで頑張って欲しい。
Factorioの推奨動作環境は?
CPUは“デュアルコア1.5GHz以上”、GPUは“VRAM 512MB以上”とかなり軽量で、CPU内蔵GPUでも余裕で動く。
Core i7-3770(3.4GHz)、GeForce GTX960を搭載するPCでは、フレームレート上限の60fpsに常時張りつく。
『Factorio』
●Wube Software LTD.
●2300円(2016年2月26日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、Mac
ジャンル カジュアル、独立系開発会社、シミュレーション、ストラテジー、早期アクセス
© 2016. All rights reserved.
■著者:篠原修司
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
・Twitter:@digimaga
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