「音楽が売れない時代」などと言われている。一方でアナログのよさが見直されているとか、レコードが売れている、などという話も聞く。
筆者(1986年生まれ)が10代の頃はCDが売れまくっていた時代で、ミリオンはおろかダブルミリオンの売上枚数も珍しくなかった。ここ数年「売れてるのはジャニーズとEXILEとAKB関連ばっかりじゃないか」と悪く言われることもあるが、1990年代もビーイングと小室哲哉プロデュースばっかりでしたよ……と思ったりもするアラサー世代である。
閑話休題。実際のところ、現状はどうなのだろう。
日本レコード協会が4月8日に発行した「日本のレコード産業2016」という小冊子がある。PDFファイルが公開されており、誰でも読める。
2015年、調子がよかったのはアナログレコードのようだ。アナログディスクは、総生産の数量が前年比165%、金額では同173%となり、前年に引き続き数量・金額ともに大きく伸長している。
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また、音楽Blu-ray Discが、生産数量では1034万枚/巻(前年比157%)、金額で246億円(同132%)と大きく伸長したことで、音楽DVDの減少(前年比93%)をカバーする結果になっているのもおもしろい。
ちなみに有料音楽配信売上は、前年比108%の471億円となり、2年連続の増加となっている。
CDアルバムは生産数量で1億1270万枚/巻(前年比98%)、CDシングルは5514万枚/巻(前年比99%)と、CD合計では昨年を下回った。もっとも、邦盤については1億4564万枚/巻(前年比104%)と増加している。
一方、減少が止まらないのがレコード・CDレンタル店数。1989年の最盛期には6213店。しかし徐々に減少をたどり、2000年には3864店。2015年には2304店となっている。
筆者が個人的に一番驚いたのは17ページ目、「オーディオレコード暦年種類別カタログ数の推移」でMD(ミニディスク)の項目が「1」になっていたことだ。マジで? まだ出てるの?
なお、2015年、音楽ソフトでミリオンを記録したアルバムは3枚。三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「PLANET SEVEN」、DREAMS COME TRUE「DREAMS COME TRUE THE BEST ! 私のドリカム」、嵐「Japonism」。余談ながら、「Japonism」のジャケットだけ載っておらず、該当部分は真っ白である。
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DREAMS COME TRUE THE BEST! 私のドリカムUniversal Music =music=
眺めているだけでもいろいろな情報がわかる。もちろんこれだけですべてを見通せるわけではないけれど、音楽好きを自認する人は、今後の業界の行く末を予測するうえでも、目を通しておくとよいかもしれない。
コジマ
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。生来の不器用さと心配性を周りからツッコまれつつ、原稿や取材などと格闘している。
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