大手企業によるスタートアップ企業への支援が加速している。直接的な投資や協業だけでなく、ピッチイベントの開催、イベントへの協賛、インキュベーションプログラム、アクセラレータープログラムの実施など。大手企業は何を狙い、スタートアップ企業へと近づくのか。
NTTドコモ・ベンチャーズ 第1回(全4回)
“NTTドコモ・ベンチャーズ”は、ドコモの100%子会社として、CVC運営やベンチャー企業支援プログラム等を展開する。国内最大の通信事業グループとベンチャーのコミュニティーとの接点としての機能を持つ同社は、何を軸に事業を進め、そこから何を生み出そうとしているのかについて、NTTドコモ・ベンチャーズの秋元信行取締役副社長らキーパーソンに訊いた話を4回にわたってお届けする。
ベンチャーとの結合でNTTグループの新事業領域創出を
NTTドコモ・ベンチャーズは、ドコモの100%出資により2013年2月に設立された。その事業の柱は大きく2つ。ひとつ目はCVCの運営であり、2つ目はベンチャー支援プログラム“ドコモ・イノベーションビレッジ”の運営である。同社はドコモの100%子会社ではあるものの、NTTグループ全体のスタートアップおよびベンチャーコミュニティとの“総合窓口”としての性格を強く有している。例えばCVC事業では、ドコモのファンドとNTT持株会社のファンドの両方を運営していることからも、その立ち位置が伺えるだろう。
秋元氏はこう語る。「CVCにしても投資はあくまでミッションを遂行するうえでのツールだと捉えています。我々の事業の本質的な目的は、ベンチャーならではの斬新なアイデアやスピード感をNTTグループと結びつけることで、サービスや技術、プロセスのイノベーションを加速して、NTTグループの新事業領域を創出していくことにあります」
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