週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

【閲覧注意】5年間放置して魔界になったPCを徹底清掃

2016年04月05日 10時00分更新

CPUは定期的にクーラーを外して
シリコングリスを塗り直すべし

 今回CPUとマザー、メモリーの3つは「まだ使える」という判断から清掃して使い回すことに。ヒートシンクの隙間やスロットの溝に溜まったホコリをエアダスターやアルコール除菌ティッシュ(もちろん徹底的に乾燥させること)で拭き取るだけではダメだ。

 その理由はヒートシンクとCPUの間にある熱伝導シートやシリコングリスは、5年も経過していると劣化して役にたたなくなっている可能性が高いからだ。

 そういえばミナミダは「ちょっぴり肌色含有率が高い動画を視ているだけでCPU温度が時々90℃を超える」と言っていたが、CPUクーラーを外してみるとボソボソになったシリコングリスが出現。無水アルコールで丁寧に拭きとった後、市販のシリコングリスを塗りなおしておいた。

 ただ、CPU温度が90℃にまで上がる理由は、CPUクーラーのファンを外してみて明らかになった。インテルのリテールクーラーを劣悪な環境で使い込むとこうなる、という希有な事例をご覧頂きたい。

マザーボード上のコンデンサーも特に妊娠している様子はないし、Core i7-2600Kの処理性能も十分現役だ。CPUを最新世代に交換するのは、VRHMD対応ギャルゲーが当たり前になったころだろう

5年も放置したままだとCPUクーラーのグリスも相当劣化しているはず。案の定グリスもボソボソになって、もはや“付いているだけマシ”な状態に。キレイに拭きとって塗り直した

今回、筆者がもっとも衝撃を受けた光景がこちら。CPUクーラーのヒートシンクの上にチョコレートトッピングが? いいえ、これもホコリとヤニの重合体。こんなものがあれば、冷却ファンの空気なんて全く意味を成さない。この後この物体は“ヤニ取りクリーナーどぶ漬け”の刑に処された

データ(ギャルゲー)用の2TB HDDはそのまま使い回すことにした。ふと気になって尋ねたのだが、ギャルゲーは合計393本がこの中にインストール済みとのこと。HDDは非常にホコリに弱いが、空気穴を塞ぐシール(実は空気だけ通すもの)を破らなければ、そうそう内部にホコリが侵入する心配はない。これも汚れを丁寧に拭っておこう

大の大人2人がおよそ1時間半、ひたすら沈黙で掃除は続く。持参したウェスに付着した汚れの凄まじさには、もう笑うしかない

ようやく清掃は完了したものの
システム移行作業が残っている

 パーツレベルの掃除が終われば、後は延命用パーツを組み込みながらPCを組み直すだけだ。今回用意したSSD、グラボ、電源ユニットは5年前のPCパーツにそのまま組み込めるので、組み立ては比較的スムースに終了。さすがに5年前の激安PCケースは工作が甘く、指を切ったり思った場所にネジが通らなかったりしたが、無事起動までは確認した。

 ただし、今回のように水分のあるクリーナー類を使った場合は、確実に水分が乾いていることを確認してから組み込むべし。延命するはずが水分でショートして即死なんてシャレにもならない。

いわゆる「裏配線」ができないPCケースなので配線はややゴチャついているが、汚れがなくなったことで清潔感が大幅にアップ。グラボも以前に比べ小さくなったので、エアフローも改善されたようだ

ヤニ汚れでほとんど見えなかったケースの発光機能もふつうに視認できるように。ついでに5年もの間極性が逆になっていて点灯しなかった電源やHDDのLEDもキチンと点灯するようになった。その状態を認識しながらも、一切手を付けていなかったのが恐ろしい

 なお、今回は起動ドライブをHDDからSSDに変更するため、延命用パーツを組み込んだだけでは作業終了とはいえない。HDD内のシステムをSSDに移し、爆速起動を確認しなければ筆者は自宅に帰れないのだ。

 次回はHDDからSSDへの環境移行作業を解説し、延命作業前と後でどうPCの処理性能が変化したかを検証していく。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この特集の記事