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呼気以外のガスを用いた不正利用を防止

Honda、酔いを検知しエンジンを作動させない検知器を試作

2016年03月25日 13時03分更新

 日立製作所および本田技術研究所は3月24日、マウスピースなしで利用可能な呼気認識機能を搭載した、スマートキー対応のポータブル呼気アルコール検知器の試作に成功したと発表した。

 今回開発された技術は、運転者が乗車前にどこででも計測できる利便性と、呼気以外のガスを用いた不正利用を防止する機能をそなえている点に特徴がある。

 また、ドアの解錠やエンジン始動が可能なスマートキー対応としたことで、酒気帯び状態にある場合にはエンジンを始動させないアルコール・インターロックの役割を果たせる。これらの機能により、飲酒運転による事故撲滅に貢献することが期待できるとしている。

 今回開発した技術の3つの特長を細かく見ていこう。

 1つ目は、小型省電力の飽和水蒸気センサー技術により、呼気認識とポータブル化を実現したこと。酸化物絶縁体を電極ではさんだセンサー上に呼気が吹きかけられると、呼気中の水蒸気が絶縁体に吸着して、電極間を流れる電気特性が変化する現象を利用。人間の呼気かどうかを認識。また、センサーの小型化と、消費電力の低減によりバッテリーでの駆動を可能としたことで、乗車前にどこででも測定できるポータブル化を実現した。

 2つ目は、3種類の半導体ガスセンサーにより、エタノール濃度の高精度計測を実現したこと。エタノールに加え、飲酒時に呼気中に代謝されるアセトアルデヒドと、水素の3種類を検知する半導体ガスセンサーを採用したために、国内で酒気帯び状態と認識される0.15ミリグラム/リットルの濃度に対し、その10分の1程度まで測定できる。また検知時間も国内法規制の基準に準拠した酒気帯び状態の有無を、3秒以内で検知できるとのこと。

 3つ目はスマートキー対応のシステムの構築だ。試作した本検知器を運転席に近づけると、計測結果に応じてエンジン作動の可否をディスプレー上に表示することができるシステムを構築した。本システムにより、規定のアルコール濃度を検知した場合には、エンジンを作動させないようにすることが可能になるという。

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