「サクマドロップス」の線香がネットで人気だという。
ローソク・線香の製造販売をてがけるカメヤマが、サクマ製菓とコラボした製品だ。2015年秋に発売したところ、シリーズ史上過去最高の出足を記録し、最短で1万個販売を達成したというからおどろき。
もともとカメヤマは、いちごのデザインがかわいい「いちごみるく」のお線香や「ミルキーはママの味♪」でおなじみの「ミルキー」のお線香など、好物シリーズのコラボお線香を販売している。供養用途だけにとどまらず、仕事帰りのOLが癒し目的やお部屋のインセンスとして購入するなど人気が広がっているそうな。
サクマドロップスの線香は、パッケージは缶っぽさを出すためにメタリックの紙を使用。本物志向にこだわっている。価格は648円。香りはいちご、りんご、オレンジ、メロンの4種類。……あっ、ハッカが入ってない! ハッカはやはりいらない子なんだろうか。うーん。
ところで、「サクマ式ドロップス」じゃないのか、と思った人もいるかもしれない。そちらは佐久間製菓の商標なのだ。サクマドロップスはサクマ製菓の商品になる。
なぜ、そんなややこしいことになったのか。1908年、佐久間惣次郎商店(のちの佐久間製菓株式會社)が「サクマ式ドロップス」の発売を開始。1913年には缶入りでの発売を始めた。映画「火垂るの墓」で印象的なアレだ。しかし、太平洋戦争により砂糖の供給が止まると同社は廃業へ追い込まれてしまう。
問題はここから。佐久間製菓で番頭の立場にあった人物が、豊島区池袋にて会社を興した。さらに1937年から社長を務めた人物の三男が、渋谷区恵比寿にて会社を興した。この2社が裁判で争った結果、池袋の会社は「サクマ式ドロップス」の商標を使うことが認められ、恵比寿の会社は「サクマ製菓株式会社」を名乗ることが認められたというわけ。
というわけで、今回線香とコラボしたのはサクマ製菓。「サクマドロップス」の方である。お間違えなきよう。
この記事を書きながら、まだ自分が幼かったころ、祖母がよく飴をくれたことを思い出した。今年のお盆はサクマドロップスの線香を持っていこうかな。
コジマ
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。生来の不器用さと心配性を周りからツッコまれつつ、原稿や取材などと格闘している。
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