マグロのヅケ、アサリ煮、コハダの酢〆などときいて何を思いますか?
日本酒の肴。
新鮮な鮮魚の刺身はもちろん日本酒に合うのですが、煮るや〆るなどして少し味を加えたもののほうが日本酒が進む。そう思うんですよ。
これらは実は、江戸前寿司の代表的なネタ。
さて酒好きな私が、江戸前寿司でクラウドファンディングをトライ中の「鮨 須賀」の寿司を食べる機会があったのですが、これが本当においしかった。
結論からいうと、とても日本酒を飲みたくなるのです。
ヅケや煮付けや酢締めなど、仕込みで勝負するのが江戸前寿司
寿司大好き。先日も築地の寿司屋で食べ放題してきたー、という記事を書いた私。
ですが「江戸前寿司とはなんぞやら」という話になると、「?」でした。
そんな折りに幸運にも、4月に渋谷でオープン予定の本格的な江戸前寿司のお店、鮨 須賀の大将である浅香秀雄さんが「江戸前寿司の味を知らないならぜひ食べてみてください」と特別に出張してきてくれて握ってくれたのです。
大将!! 握り一丁、頼んます!!
左上から時計回りにマグロのヅケ、タコの昆布〆、煮イカ、アジの酢〆、カンピョウ巻、タイの酢〆、煮ホタテ、煮アサリ。
全体的に茶色いです!
なんと、シャリに炊き込みご飯のような色がついている。
シャリの色は赤酢を使っているから。アルコールを使用していないまろやかな酢なので、寿司屋さんの一般的なシャリよりツーンとした酸味がないということです。
寿司という言葉を聞くと、マグロの赤、シャリの白とコントラストがくっきりした様子が真っ先にアタマに浮かびます。ですが、江戸前寿司は、想像していた寿司と違って全体的に色が乗っていてびっくりしました。
色の話をすると、肉料理も茶、煮物も茶、炒め物もだいたい茶。茶色は食欲を刺激してくる色。なので、一般的な寿司の雰囲気とは違いますが、おいしそう……!
鮮魚のネタと違った複雑なおいしさなのです
では、食べてみます。
のひょひょひょ、うまい!
マグロのヅケはサイコーです。肉厚のマグロの赤身が、タレのおかげでやや甘く、まろやかで、おいしいさが引き出されています。赤酢のシャリの味もとても良く、ふんわりしていてツーンと来る要素がない。
私はもともとマグロのヅケ、大好き。スーパーでマグロのブツを買うと、当日は刺身で食べて、残ったものは醤油やみりんに漬けておけば、翌日以降のお楽しみになります。マグロの刺身はもちろんおいしいのですが、ヅケのおいしさを知らない人は人生の半分を損しているのではないかと思うほど。
当然、握ってもらったヅケは自分で適当に漬けるより段違いに美味!!
マグロ以外のネタもおいしい!
アジの酢〆やタイの酢〆の上に乗っているでんぶのようなものは、エビを炒ってそぼろ状にしたエビおぼろ。つくるのにかなり手間がかかっています。ほんのり甘く、エビのうま味が凝縮されているということ。
酢で締めた酸味があるネタにほんのりおぼろが加えられることで、大人な味わいなのです。噛みしめるほどに「ああ、日本人って素晴らしいな」としみじみ感じ泣けてきそうですよ。
カンピョウ巻がまた驚くほどおいしい。カンピョウが柔らかくてうまみたっぷり。赤酢のシャリのまろやかな味わいとのバランスが素晴らしく、口の中でおいしさが広がります。
カンピョウ巻を食べた編集部員から「カンピョウ巻を食べるためだけでもこのお店に行きたい」と歓喜の声が出るほど。
チョー日本酒飲みたい!!
全体にいえるのが、「江戸前寿司を食べると日本酒が飲みたくなる」ということ。ネタが味付けされていて深みがあるおいしさのため、柔らかい味わいの日本酒で流したくなるんですね。
日本酒好きで江戸前寿司を食べたことない人は、ぜひ食べて欲しいです。絶対に杯が進みます!
ところで江戸前寿司ってどこで食べられるのでしょうか?
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