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MAKOTOとクラウドワークスが連携

復興加速へ、福島県を起業家で元気にするプロジェクト開始

2016年03月10日 13時00分更新

 クラウドワークスとMAKOTOが連携し、福島県へ起業家を誘致する「福島県を起業家で元気にするプロジェクト」を3月4日から開始した。

 MAKOTOは、2011年7月に創業し、東北地方の起業家・経営者支援を主軸に活動する一般社団法人。起業家の再チャレンジに特化した「福活ファンド」や、地方自治体と連携し、地元の起業家支援やUIJターン起業家誘致を行なう「地方創生事業」をはじめ、起業家に役立つコワーキングスペース「cocolin」、クラウドファンディングサービス「Challenge Star」などを運営している。

MAKOTO 代表理事の竹井智宏氏

MAKOTOの福島県への取り組み

 特に福島県では、震災前の平成22年と比べて、農業産出額は78.8%、県内製造業出荷額は99.9%にまで復興が進む一方、安心して住めるまちづくり、風評被害への対策など、やるべきことは山積している。

 そこでMAKOTOが2015年から取り組んでいるのが、全国には「福島のために何かをしたい」というリーダー的起業家(予備軍)が潜在していることから、そうした起業家(予備軍)に直接アプローチし、福島県内にスカウトする「リーダー的起業家スカウト事業」だ。これにより、UIJターン起業家モデルの創出に取り組んでいる。

 なぜ「起業家誘致」なのか。代表理事の竹井智宏氏は、「福島県では震災以降、UIJターンして起業した若者が地域のリーダーとなって周囲を巻き込み、地域を盛り上げる事例が増えている。震災後5年が経過した現在も多くの課題が残る地域であり、起業家にとっては“チャレンジフロンティア”。県外とのネットワークを持つリーダー的起業家を誘致することで、多数のフォロワー起業家を巻き込み、福島を盛り上げることが可能なのではと考えた」と説明。

MAKOTOによる福島県 起業促進施策

 実際、福島県の起業状況はというと、起業率は全国6位と高い。また、会津大学は学生あたりの企業率が全国1位と、人材育成および起業環境の整備を産官学が連携・推進している背景があるという。

2015年から取り組んでいる「リーダー的起業家スカウト事業」

福島県の起業状況。起業率は全国6位

 Uターン起業の先行事例としては、いわき市で被災して店舗を失くした人などで始めた「復興飲食店街:夜明け市場」でシャッター街を再生し、さらに飲食店だけでなく1人でも多くのアクションを生み出したいとコワーキングスペースを軸に起業家と地元の橋渡しをするNPO法人 TATAKIAGE Japanを設立した松本丈氏。あるいは、大学在学中に東日本大震災に遭遇し、福島と企業・ボランティアをつなげる活動に取り組み、その後、原発事故の影響で外で遊べない子供たちにしっかり遊べる機会を提供するため、株式会社Plainnovationを設立した菅谷元志氏などの例があり、まさに地域を盛り上げるような「起業の連鎖」が生まれつつあるという。

クラウドワークスと連携の狙い

 こうした流れを加速させるべく、今回、クラウドワークスと連携し、「福島県を起業家で元気にするプロジェクト」を発表した。MAKOTOが提供する起業支援・ハンズオン型(伴走型)経営支援サービスとクラウドワークスのクラウドソーシング基盤を組み合わせた施策により、起業家誘致から事業化までをサポートするという。

 竹井氏によれば、クラウドワークスと協業する狙いは、「81万人のクラウドワーカー登録者からの起業家発掘」と「起業時の業務支援・人材不足を解消するためのクラウドソーシング活用」の2点だ。日本中のアイデア、起業家、その支援者をつなぎ、福島県内での起業に対する興味喚起を図る。さらに起業後の事業を成功に導くための人材・資金調達、ノウハウ獲得などの面で支援を行う。

クラウドワークスと協業する狙い

第1弾は「福島を元気にするビジネスコンテスト」

 その第1弾として、3月7日からクラウドワークスで「福島を元気にするビジネスコンテスト」を実施。福島県での新たな事業創出、既存産業の活性化や販路拡大、地場産品のアピール、観光客の誘致など分野を問わず、クラウドワーカーからビジネスアイデアを募集する。そこで大賞を受賞した人がそのアイデアを具現化する意志がある場合は、福島県への移転・起業のサポートと事業化に向けたハンズオン型支援をMAKOTOが行なう。

 募集期間は3月31日まで。今後、第2弾、第3弾として、起業家誘致におけるプロモーション案の募集や、福島での起業を決意した起業家を支援する企画を実施する予定。

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