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「支援と言うのはおこがましい」スタートアップとともに成長するスターティア

2016年03月07日 06時30分更新

 大手企業によるスタートアップ企業への支援が加速している。直接的な投資や協業だけでなく、ピッチイベントの開催、イベントへの協賛、インキュベーションプログラム、アクセラレータープログラムの実施など。大手企業は何を狙い、スタートアップ企業へと近づくのか。

 電子ブック作成ソフトをはじめ、各種ウェブソリューションやネットワークソリューションを提供するスターティア。2015年に設立20周年を迎えた同社は、CVC事業にも進出。その経緯などについて、同社コーポレートベンチャーキャピタル事業推進室の平岡万葉人室長に話を訊いた。

CVC立ち上げ後、アジアへの投資に大きく舵を斬る

 スターティアがコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)事業推進室を立ち上げたのは2014年11月。自己資金による直接投資を大原則として掲げる同社CVC最初の投資案件は、2015年6月、勉強ノートまとめアプリ『Clear』などを提供するアルクテラスだった。続く3ヵ月後の同年9月には、2案件目として、日本と東南アジアで精力的にスタートアップ投資事業を展開するIMJインベストメントパートナーズのファンドへと投資を行なっている。

 そして今年1月には、シンガポール籍の企業であるCreatubblesに投資。同社では、小学生などが授業中に作成した絵や彫刻などの創作物を、スマートフォンで撮影して専用サイトにアップロードし、それを軸に、教師と親、生徒の3者によるコミュニケーションをグローバルに醸成するというサービスを展開している。すでに50ヵ国の生徒たちがサイトに作品をアップロード、会員数も順調に伸びているとのことだ。

 このように、ASEAN地域に注力する理由について平岡氏は次のように説明する。「当社は台湾や中国に営業部隊や開発部隊を置くなど、東アジア地域でも積極的に事業を展開していますが、東南アジアは空白地域となっています。当社の経営理念のひとつとして“アジアでナンバー1のサービスをつくる”というメッセージがあるのですが、その実現には東南アジアでの事業展開は必須となります。そこでCVC室としてはVC投資で収益を上げると同時に、他の事業に先駆けてCVCとして東南アジアと接点を持ち、将来の他事業の東南アジア進出に貢献できるハブになる、という目標を掲げたのです」

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