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「大企業とベンチャーの橋渡し」住友不動産、スタートアップイベント協賛の意義

2016年02月29日 19時00分更新

社内でのマッチングも強化へ

 一方で、住友不動産社内とベンチャー企業との交流についても、今後より力を入れていくという。

 井上氏は言う。「“新宿サミット”に参加してくれたベンチャー企業の商品のいくつかには、社内からのニーズがかなりあると感じています。良い物があれば、各部門の責任者などを集めて、その場で起業家の方にプレゼンしてもらうというのは効果が大きいでしょう。そうやって一歩ずつ、会社全体とベンチャー企業との交流を深めていければと考えています。たとえば私達の部門は法人向けの営業を担っていますが、他にマンションなど個人向けの物件を扱う営業部門もあります。オフィスビルにはニーズがないけれどマンションには役立つといった製品やサービスも多いと思うので、起業家の方々に少しでもビジネスチャンスを見出してもらえるよう様々な場を提供していくつもりです」

 これまでも個々の案件については、ベンチャーと社内の橋渡しを行なっている。例えば、住友不動産が六本木に構えるオフィスビル、泉ガーデンタワーのスモールオフィスには、IoTに関わるベンチャー企業、フォトシンスのスマートロックロボット『Akerun』が採用されている。

フォトシンスのスマートロック『Akerun』

「これからも社内マッチングを進めていくなかで、社内全体でベンチャー企業の製品やサービスを活用していこうという空気を醸成していければいいですね。まずは、目の前でできるところを少しずつ実行していく構えです」と、井上氏は今後の抱負を述べる。

 日本を代表する不動産会社のスタートアップ支援の試みのキーワードは“橋渡し”にあるようだ。数多くの企業が集約し、そしてともに成長していくオフィスビルという本業とも共通した理念がそこにはあるようだ。

住友不動産株式会社 ビル営業部 井上英賢部長代理

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住友不動産

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