チャーハンもあれば串焼きもあり、昆虫アレンジメニュー
まず用意されたのはイナゴのつくだ煮と、蜂の子の甘露煮だ。とはいえ、これは昆虫食の定番メニュー。かくいう自分も、長野を旅行したときに食べたことがある。パリパリとした歯ごたえのイナゴ、ぷちっとした食感と甘辛い味付けの蜂の子、どちらもなかなかいける。
昆虫食も悪くないかもな、と思ったところにやってきたのは出し巻き卵。へえ、箸休めかしら、といただく。プチプチした粒が入っていておいしい。ところで、なにが入ってるんですか?
「アリの卵です。見た目には普通ですけど、たまに羽化しかけているアリも入ってますよ」(宮下さん)。ウーン……。
しかし、これ、悪くない。卵のやわらかさと、アリの卵の歯ごたえがマッチしている。正体を明かさなければ居酒屋の人気メニューになるかもしれない。隠れた実力派である。羽化していないことを祈って注文しよう。
続いてやってきたのはチャーハン。普通のチャーハンだ。上になにかの黒い粒が乗っている以外は普通だ。これはコショウだと思う。コショウなんじゃないかな。きっとそうに違いない。
「羽根アリです。チャーハンを作ったあとに、素揚げしたものをかけました」(宮下さん)。ヒイー。
ただ食感が変わるだけかと思いきや、アリを口に入れると、かなり土の香りがするのに驚いた。中南米や東南アジアではアリを食用とするだけでなく、調味料のように使うそうだが、それもうなずける。味の雰囲気が大きく変わるのだ。
しかし、注意することがある。アリがすごく固いのである。魚の小骨のごとく上あごやノドをちくちく刺激するので、調子に乗って口の中に放り込み過ぎないように。
まだまだ昆虫メニューは続く。運ばれてきたのは茶碗蒸しだ。これ、絶対に中に虫が入っているパターンだろうなあ、と思い、フタを開ける。ん? シイタケしか入ってないぞ? いやいやそんなはずはないとよく見てみると……シイタケだけじゃなかった、カイコも入ってる。
味としては普通といえば普通だが、なんといってもビジュアルがすごい。本当にすごい。それに尽きる。
次はいよいよラスト、「ネギマ」である。ネギマ? あの焼き鳥でおなじみの? ネギはいいとして、肉はなにを使っているんだろう。串に刺せるほど、大きい虫なんてあったかしら……。
そうきたかー。そうきたかー……。
どうでもいいけど、これ、“ネギマ”なのにネギを挟んでないんじゃないですか、と宮下さんを責め立てる筆者。もはや八つ当たりだ。しかし宮下さんは胸を張る。「いえいえ、サソリのハサミをよく見てください」。
ん?
……なるほどね、これは一本取られた。ネギとサソリを一緒に食べる感覚はまさしく初体験。見た目も最高だ。昆虫食メニューの中でも一番人気だという。
なお、虫の産地について聞いてみたところ、イナゴ・蜂の子・カイコが日本産、アリが中国産、バンブーワーム・コガネムシ・ゲンゴロウ・サソリがタイ産とのこと。やはりアジアが強いのか。
虫をばくばくと食べ続けて、だんだん慣れてきた一同。「意外とイケるやん!」「これははやりますわ」などと大口を叩いていると、「お酒も提供しているんです」と宮下さんが言う。なに、虫のお酒? それは気になると、さっそく飲んでみることにした。
注意:次ページから無修正の虫の酒が出てきます。本当です。虫が苦手な方は読むのをやめて、今すぐASCII.jpのトップに戻ってください。
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